日本の人口は今、何人くらいか、君は知っているかな。2010年の国勢調査を見てみるとだいたい1億2806万人。でも、この人口はこれからどんどん減ってしまうんだって。

国立社会保障・人口問題研究所では、将来の人口について3つの見方で予測を立てている。このうち、「中位推計」――出生や死亡の見込みが中程度と仮定した場合の予測――を見てみると、2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人となっている。これは、第二次世界大戦直後の人口とほぼ同じ規模だ。

どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているんだろう?

――この連載では、高齢になった未来の私たちのため、そしてこれからの時代を担うことになる子どもたちのために、日本の将来をいろいろな角度から考察していきます。子どものいる読者の方もそうでない方も、ぜひ一緒に考えてみてください。

かくい・りょういち
イー・ロジット代表取締役、チーフコンサルタント。 1968年10月25日生まれ。上智大学経済学部経済学科を3年で単位取得終了し、渡米。ゴールデンゲート大学からマーケティング専攻でMBA取得。帰国後、船井総合研究所に入社。その後不動産会社を経て、家業の物流会社、光輝グループに入社。光輝グループでは日本初のゲインシェアリング(成功報酬型アウトソーシング、東証一部企業)を達成。2000年、イー・ロジット設立、代表取締役に就任。現在、日本語だけでなく、英語、中国語(簡体、繁体)、韓国語でも書籍を累計12冊以上出版。※イー・ロジット/現在150社以上から通販物流を受託する国内NO.1の通販専門物流代行会社。物流人材教育研修や物流コンサルティングを行う。

 地方の名産品を通販で取り寄せようとしたら、送料が価格と同じくらい高くてびっくり。なかなか届かない商品を待ち続け、やっと鳴ったチャイムにドアを開けたら、超高齢ドライバーが立っていてまたびっくり。スーパーの陳列棚からはモノが消え、資材が届かない建設現場では工事が中断されたまま――。

 近い将来、こんな日がやってくるかもしれない。

 国土交通省の調べによれば、2015年には14万人のトラックドライバー不足に陥るという。2006年度にピークの約92万人に達して以来、下降線をたどるトラックドライバー人口。ピークからわずか2年後の2008年度にはおよそ86万人へと激減した(全日本トラック協会調べ)。

 さらに全日本トラック協会では、「60歳未満の大型免許保有者数は今後急激に減っていく」と予測しているよ。2020 年現在の317 万人から、35 年には223万人と3割減に。さらに42 年には177 万人まで減少するという。

 物流はいわば社会の“動脈”だ。動脈がボロボロになったら、世の中のいろいろなところでトラブルが起こる。迫りくる「2015年危機」について、イー・ロジット代表取締役・角井亮一さんに聞いてみた。