否定できないわが国企業の後退
このままでは世界と太刀打ちできない

 国際的な特許出願件数の推移を見ると、わが国企業の後退傾向は否めない。2013年に3年ぶりに出願件数でトップに返り咲いたパナソニックは、昨年は4位に落ち込んだ。前年6位だったシャープは14位にランクを下げ、同じく8位だったトヨタ自動車は12位となった。

 それだけを見て、企業の技術力が大きく低下しているとの指摘は適切ではないかもしれない。しかし、台頭著しい中国企業の技術力の向上と比較して、わが国企業の技術面における勢いが低下していることは否定できない。

 大手企業の技術開発部門の責任者にヒアリングしてみた。彼は、「中国企業の研究開発部門の物量と比べて、わが国企業が劣勢にあることは否めない」と指摘していた。企業の規模は主要海外企業と比較して相対的に小ぶりで、体力的にも世界の主要企業と太刀打ちすることは難しいという。

 多くの国では、有力メーカーがM&Aなどの手法で企業統合を進めて、世界市場でメジャープレイヤーとして君臨できるグローバルメジャーとなるケースが多い。ところが、わが国の電機メーカーを考えると、相応のブランド力を持つ企業が国内に8社もある。世界の主要国を見回しても、それだけの電機メーカーが存在する国はない。

 わが国メーカーは熾烈な国内市場での競争に囚われて、グローバルな世界市場でメジャーになるだけの体力を持つことが難しくなっている。海外企業の買収などによって一部企業がグローバルマーケットでの存在感を高めているものの、本当の意味で競争力を回復しているかについては疑問の余地がある。

 足元で円安の追い風を受けて企業収益は回復基調を歩んでいるものの、数量ベースでの輸出量の回復は遅れ気味だ。今後、円安・ドル高の追い風に変化が出るようだと、企業の競争力に陰りが出ることが懸念される。少なくとも、特許出願件数で見る限り、中国企業のダイナミズムには脅威を感じざるを得ない。