日本のゴルフ界において、芹澤信雄を中心とするチームセリザワは一大勢力だ。『ダイヤモンドQ』編集部では芹澤プロに取材し、ゴルフ人生を振り返るとともに、日本のゴルフ界に対して抱く危機感を語ってもらった。(敬称略)
2月25日に品川プリンスホテルで行われた「チームセリザワゴルフアカデミー」の設立発表記者会見には、100人を超える報道陣が詰め掛けていた。2012年賞金王の藤田寛之や宮本勝昌、女子プロゴルファーの木戸愛も壇上に上がり、師匠に当たる芹澤信雄と、チームセリザワの新たな船出に花を添えていた。
誰にでも親しまれる芹澤の人柄と、ビジネスマンとしての才覚が表れた記者会見だった。
「アカデミー設立は長年の夢でした」と校長を務める芹澤は言う。
「50才を過ぎたら、自分も少しは時間ができるだろうな、と思っていましたから。ところが、藤田君が賞金王になっちゃったもんだから、(チームメンバーが増えて)余計に僕も忙しくなっちゃった(笑)」
17人の大所帯であるチームセリザワは今やプロゴルフ界の一大勢力だ。とりわけ45才の藤田(通算18勝)と42才の宮本(通算10勝)の2人は、男子ゴルフ界のトップを走り、40才を過ぎても進化する姿を見せている。それぞれ勝利数は、師匠の芹澤を超えた。
「悔しいなんて思わないですよ。僕自身はツアーで5勝、シニアでも1勝していますが、よくやった方だと思っているんです。僕以上に能力がある彼らは、勝って当たり前。早く僕を踏み台にして、超えていってほしかった」