──2008年に地合いの悪さから自社リートの上場を断念した。だが、今回、それに代わるリートを手に入れたことになる。

 運がよかった。当初は外資系企業がニューシティのスポンサーとなるはずだったが、債権者から拒否された。その後、銀行から持ち込まれた入札に当社が参加し、スポンサーに決定した。今後ニューシティは先に当社の傘下に入っているビ・ライフと合併する。当社グループは、住宅、商業施設、物流施設などの開発を主力事業としているが、合併したリートは、これを補完する存在になってくれればよいと思う。

 これまでは、物流施設など、開発したうえで他社に売却した案件も多かった。だが今後は、合併したリートに当社が開発した物件を売却するケースが出てくる。当社としては、とにかく事業性のよい物件を売っていくことが大事だ。結果として、リートの運用資産の中身も改善するはずだ。

──私的整理の手法である事業再生ADRを申請したイニシアをどのように再建していくか。

 マンション開発を共同で行なうなど、資金調達面での援護はできる。だが基本的にはイニシアの自主経営に任せる。当社の出資は持分法適用会社の範囲にとどめ、役員も送らない。イニシアが本体の再建に専念できるよう、同社グループのマンション管理会社、コスモスライフは当社の100%子会社とする。当社はストックビジネスに弱いので、そこが補完できる。

 コスモスライフも当面は独立運営を維持する。企業合併には必ず企業文化の違いによる混乱が伴う。当社がグループ内再編を行なったときでさえそうだった。グループ外の会社を統合するならなおさらだ。だから過去に買収したエネサーブや大阪マルビルも、合併せず、さらに経営陣を挿げ替えることもせず独立運営に任せ、うまくいった。この“支配しない”M&Aが評価されているから、当社に案件が多く持ち込まれるのではないか。

(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木洋子)

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