大阪都構想は都市経営の
適正サイズを求める問題
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5月11日付の本ダイヤモンド・オンラインのコラムにおいて、藤井聡・京都大学大学院教授は、大阪都構想への反対意見について、学者の数の多さを強調している。私の意見はきわめて少数であるという。だが、学問の世界では、数は意味がなく、中身が問題だ。
大阪都構想に反対の学者のリストがあり、そこに各人の所見があったので、一応読んでみたが、少なくともデータに基づく社会科学の議論でないと感じた。
大阪都構想は、都市経営において、適正サイズを求めるものだ。大きすぎれば分割し、小さすぎれば合併して、適正サイズに近づける。実務経験のない学者は、このあたりがさっぱりわからないようだ。
この分野の日本における嚆矢は、故・橋本徹先生だろう。現大阪市長の橋下徹氏と同音同名であるが、名字は違う。元関西学院大学経済学部教授であり、1996年に亡くなられた。筆者は、先生のお名前を存じていたが、役人だったこともありそれほど深い面識があるわけではない。ただし、多くの門下生がいて、自治体研究で学会をリードしていたことは知っていた。
関西の経済学界では、橋本・関学グループと本間・阪大グループ(本間正明・元大阪大学経済学部教授)が立派な実証分析を数多く出し、多くの優秀な研究者を輩出し、関西からの全国への意見発信をしてきた。