戦後70年談話は「3つの言葉」が必要
なければ日本批判の口実を与える

 第二に8月15日に発表が想定される戦後70年の首相談話である。問題の所在は既に明らかである。この談話は戦後70周年を経た今日、未来志向に重点を置くべきことはその通りだと思う。しかし未来は過去の総括なくして展望されないし、近隣諸国を含め国際社会から支持されるものとするべきなのであろう。

 安倍首相はこれまで繰り返し村山談話や河野談話を変える意思はないと説明し、先般の訪米においては、これまでの内閣の認識を支持すると明言している。だとすれば、村山談話で使われている「侵略」、「植民地支配」、「心からのお詫び」という3つの鍵になる言葉を使わず、近隣諸国に日本批判の口実を与えてしまう結果で良いのだろうか。戦後50年及び60年談話に盛られているから繰り返すことはないという説明で納得する人は決して多くはないと思う。

 談話発表はとりわけ、これからの日本のアイデンティティを明らかにする格好の機会である。最近の外交政策において積極的平和主義という言葉が盛んに使われているが、これは決して安全保障面で貢献していくことだけではなく、グローバルな責任を持つ国として、従来のように非軍事的分野での貢献や平和構築のために能動的外交を行っていくことを明らかにしてほしいと思う。

AIIBは影響力行使のため参加すべし
対中国では是々非々で協力拡大を

 第三の重要課題は、中国が主導しているAIIBへの日本の参加問題である。これは単に一つの国際機関への参加の是非だけの問題ではない。これからも大きく台頭していくと見通される中国とどのように向き合っていくかを決める象徴的問題である。

 アジアのインフラ需要は膨大であり、これに融資を拡大し整備していくことはアジア地域の経済を底上げすることに繋がろうし、歓迎するべきことである。一方、中国が独自の価値観に基づき銀行の運営を行う事を企図しているとすれば、それは好ましいことではない。AIIBが融資判断など運営の透明性、公平性を持ち国際基準にあった銀行になることが必要である。

 通常の国際開発金融機関の例に見れば、出資比率が発言権を決めるわけで、日本が参加しなければ中国の発言権が圧倒的に強くなるということになる。アジア域外国の出資比率は低く、アジアから日本が参加し、欧州諸国や豪州、韓国などと共に影響力を行使して行くことが求められている。仮に米国の参加が可能でないにしろ、米国は日本が参加することを理解するはずである。