「超小型モビリティ」としても
ひときわスリムな「i-ROAD」

 要するに、クルマとバイクのよいとこ取りだ。三輪だから自立するし、傾きはコンピュータ制御だから二輪経験の必要もなく、ドアがあるので雨風もしのげる。そして(現時点では不透明だが)、駐車もバイクに準じる扱いになれば、街中での機動性も格段に高まる。

 国土交通省も「超小型モビリティ」という新たな車両区分を導入すべく旗を振っている。軽自動車未満で二人乗り程度の超小型車(125cc以下)に限定し、高速道路を走れないことと引き替えに、衝突安全性などの保安基準を緩和して普及を促すというものだ。

 この国交省の規格に沿って各社が開発中の車種の中でも、「i-ROAD」のスリムさは際立っている。たとえば日産「ニューモビリティコンセプト」は全長2340mm×全幅1230mm×全高1450mmで、車幅が「i-ROAD」より36cmも大きい。

 地方では、大人1人に車1台が必要なのが実情だ。しかし農家のように広い家ばかりでもなく、2台目、3台目の駐車スペースと、車の維持費が悩ましい問題となっている。「超小型モビリティ」がその2台目、3台目の受け皿となり、(暫定で軽自動車扱いの)維持費に優遇策が取られれば、家計負担の軽減も期待できる。

 しかも、「i-ROAD」はバイク並みの車格だ。もしもバイク扱いで駐車できるなら、休日のショッピングモールの入庫待ち渋滞などとも無縁となり、“生活の足”としての魅力は格段に高まる。

 ただし気になるのは、「超小型モビリティ」がたいてい電気自動車で、航続距離と車両価格に不安があることだ。仮に市販されても、利用は自治体や企業にとどまるのではないか?

 そこで目を転じると、この規格にぴったりの車両区分が、じつはすでに存在する。125cc以下の小型二輪車だ。原付二種だから高速道路は不可だが、国道バイパスの流れに乗ってなお余力があり、2人乗りも可能で、任意保険にはファミリーバイク特約が利用できる。

 もちろんバイクだから雨に濡れるし、転倒事故の可能性もある。しかし“三輪”ならばどうだろう。トヨタ「i-ROAD」の好敵手たり得るのではないか?