ハネムーンも終わり、いよいよ「鳩山丸」が本格的な航行をスタートさせる。
すでに官邸という「操舵室」での混乱は日に日に深刻さを増している。平野官房長官を筆頭とする内閣官房には、無責任と不作為、そして危機意識の欠如といった空気が蔓延している。
しかし本当の荒波がやってくるのはこれからだ。報道各社の世論調査でも、発足当時70%前後あった内閣支持率は、100日間ですべて50%前後まで下落した。
当コラムでも再三指摘した通り、前3政権、とりわけ安倍内閣のそれと同じような右肩下がりのグラフを示している。その例に従えば、より支持を失うのはこれからだ。
日本人に特有のものなのだろうか、年が替わった途端、それまでの温かな眼差しは一旦リセットされ、政治を見つめる視線が一気に厳しくなる。とくに1月からの通常国会、そこで始まる予算審議など、政権にとっての真の荒波はこれからやってくる。
結党以来、民主党にとっての最重要政策は、一貫して「政治と行政の透明化」であった。情報公開や可視化によって国民の知る権利に応え、それこそが健全な民主主義社会を作ると謳い続けてきた。それはまた鳩山由紀夫首相自身の長年の政治哲学でもあった。
13年前の96年、衆議院院内の国会対策控室で筆者に語ったその理念は嘘だったのだろうか。
筆者は100日間待った。官邸の記者会見は結局オープンにされなかった。鳩山首相と平野官房長官は、海外メディアや雑誌記者、ネットメディアやフリーランスの記者たちの仕事(取材)の機会を奪い続けながら、なんら反応も示さず、単に時間を浪費し続けてきたのだ。
情報公開にもっとも
尽力した閣僚は…
一方で、政府内には、不誠実な首相と官房長官とは違い、健全な民主主義の構築のために戦った大臣もいる。
現時点で記者会見の「公約」を守った、あるいは守ろうと努力している政治家は以下の通りである。