急成長するITベンチャーの
CEOとCFOがそれぞれ果たすべき役割
齋藤和紀 Kii株式会社管理本部長

財務基盤にもスピードとフレキシビリティーを重視

――御社ではクラウド型の財務基盤を使用しているそうですが、成長を続ける
ベンチャーの財務に求められるシステムとはどのようなものでしょうか。

 そもそも財務基盤は、ベンチャーに限らず合理的な経営の前提となるべきものであり、それ自体が合理的な経営を阻害する存在になってはいけません。つまり、システム投資を削減でき、しかも最新鋭のシステム環境を利活用できるのが理想です。そして何よりも重要なのは、財務基盤が経営トップの判断に資する情報を素早く取り出せ、自由に加工できる(フレキシビリティ性を備えた)プラットフォームになっているかどうか、ということです。当社が導入しているネットスイートというクラウド型のERPはその要件を満たしていると考えています。

 ベンチャーや中小・中堅企業ではCFOの機能に限界がありますが、クラウド型の経営基盤を活用することで、そこを補強できると考えています。いまやこうしたクラウド上の財務基盤は、起業家たちの成長インフラとして欠かせない存在になっていると感じます。

――結局、ベンチャーのCFOには、リスク管理のあり方を突き詰めることが求められるということですね。

 そう思います。日本企業がリスク管理と言うと、「○○してはいけない」「リスクと名のつくものはすべて潰せ」となり、管理が強すぎるがためにダメになっている企業もあります。

 しかしリスクを取るからこそ成長があるのですから、リスクの見極めと取り方をCFOがトップの意志を忖度しながら決断していくべきだと思います。その意味で、CFOの独立性に思いを馳せるトップであって欲しいし、CFO自身が組織に帰属するというよりは、「会社を支える」というぐらいの気概を持って仕事に向き合うべきではないでしょうか。

Kii社内にある円形の一室。テレビゲーム、ゴルフのパターなどがあり、社員は自由に利用できる。フレキシブルな発想を妨げないカルチャーがあふれる