訪日外国人数が増えるなか、日本独自のトイレ文化に戸惑いの声が上がっている。政府も「日本トイレ大賞」を募集するほか、地方自治体もトイレ改修に相次いで乗り出している。
洗浄ボタンが分からず10分困惑!
外国人が戸惑う「日本のトイレのお作法」
恐らく、世界的に見ても高いレベルだと思われる日本のトイレ。もちろん、いまだに悪臭漂う公衆便所も存在するものの、商業施設やオフィスビル、観光地にいたるまで、設備自体は古くとも、そこそこ掃除が行き届いたトイレの方が多いはずだ。
しかし、単に掃除されていればいいかというと、そうでもないのがトイレの難しいところ。文化が違えば、トイレの使い方も大きく異なるからだ。実際、日本を訪れる外国人で「トイレで困った」という人は少なからずいるのだという。
では一体、彼らは何に困っているのか。TOTOがさまざまな国籍の外国人を対象に行ったインタビュー調査やアンケートによると、興味深い現実が見えてくる。
まずは便器。洋式トイレがいいと答える外国人は全体の8割以上に上る。欧米人だけでなく、東洋人であっても比率は変わらない。和式トイレで逆向きにしゃがんで用を足してしまったり、便器に座ってしまう外国人は後を絶たない。
また、韓国や中国のように、トイレットペーパーを便器に流さず、くずかごに捨てるという習慣が残っている国も少なくない。便器や下水管の機能が低い国では、トイレットペーパーのせいで配水管が詰まってしまうからだ。そんな国から来た人たちは、日本のトイレでも紙を流すことが悪いと思い込む。さりとて、個室内にくずかごが見当たらない。そこでやむなく、床に使用済みペーパーを捨ててしまい、悪臭が漂うという残念なケースも報告されている。
日本ならではの洗浄機能付き高機能トイレも、外国人を悩ませる。ボタンが多すぎて、操作方法が分からないのだ。あるイタリア人女性は「洗浄ボタンが分からず、10分も探した」という。何とも気の毒な話だ。ほかにも、洗浄ボタンと間違えて非常ボタンを押してしまい、警備員が駆けつけるというケースもある。