危機の大元の原因は
身の丈に余る借金

 今回のギリシャ危機の大元の原因は、身の丈に余る借金をしたことにある。その借金は何に使ったかと言えば、公務員を増やし、年金制度を拡充して国民にベネフィットを与えたのである。

 公務員の数は、生産年齢人口の4分の1、全国民の10人に1人が公務員という状況だった。その勤務時間はかなり緩く、時間通りに出勤した人には特別の手当が支給されたという。

 また、年金制度もかなり恵まれた仕組みになっており、所得代替率=リタイア前の給与に対する割合が90%を超えていた。その水準はドイツの約2倍、わが国の約3倍にも相当する。

 最大の問題は、それらの手厚いベネフィットを賄っていたのが借金だったことだ。ギリシャはユーロ圏に加盟したことで、見かけ上、ドイツ等との盟友関係ができた。それで借り入れコストが低下したのをよいことに、借金をしまくったのである。

 しかも、借金の額を過少に申告していた。米国の名うての投資銀行の知恵を借りて、借金の額について嘘をついていた。その嘘が発覚して以降、同国の信用力が低下し、借金ができなくなったため、EUやIMFからの助けを借りざるを得なくなった。

 ただ、EU等はお金を貸すときに厳しい条件を付けた。その条件は、年金制度や税制などの制度を改革して財政を立て直すことだった。ギリシャはこの条件を受け入れたのだが、専門家の目から見るとこの条件は厳し過ぎた。

 ほとんど実行不可能な条件を達成するため、ギリシャ国民は約5年間耐えた。しかし、今年1月、国民の忍耐が限界を超えた。押し付けられた緊縮政策に真っ向から反対するチプラスという40歳の若手を首相にした。