定期健診は大歓迎!
その裏にある医師の本音とは?

 米国で1600人の医師を対象にして、「定期的な健康診断は必要か?」を問うアンケート調査が行われました。
 その結果、65パーセントの医師が「必要」と答えていたそうです。
ただし、「血液検査」と「尿検査」だけで十分であり、心電図検査や胸部 レントゲン検査は必要ないと、ほとんどの医師が答えていました。
 とはいえ、彼らにも本音と建て前があって、定期健診の目的で病院を訪れる人は、大歓迎だというのです。理由は単純で、手間がかからない割に、儲かるから。ここで、米国の医療事情をちょっとお話ししておく必要がありそうです。米国では、法律で定められた定期健診の制度はなく、全国民が加入するような公的医療保険制度もありません。
 その代わり、民間の健康保険会社がたくさんあり、国民は任意で加入するようになっています。加入者には、ちょうど生命保険の「特約」のようなおまけがついていて、年に何回か一流の病院で定期健診が受けられるようになっているのです。結果的に、米国民の定期健診の受診率はかなり高いものとなっています。

 日米のこの仕組みの違いを理解しておかないと、「米国に比べて、日本での受診率が低いのは問題だ!」など、的外れな議論がなされてしまうことになります。

 僕個人の意見としては、定期健診は「血液検査と尿検査以外は受けたくありません。

(本連載は『「先生が患者ならどうします?」医師が自分のために選ぶクスリ・治療法』に、一部加筆したものです)