原発の事故対策がどれほどいい加減で、
不正に満ちているか
ジャーマン・ウィングスの航空機墜落事件のあと、私が日本の原子力発電所の専門家に、
「原発のテロを防ぐことができるのですか? 一人二人が示し合わせて行動すれば、簡単に原発の大事故を起こせますよね?」
と尋ねたところ、答は、おそろしくも「YES!」であった。
二年前にドイツの原発を視察した時も、警備員が実弾入りの拳銃を持って、われわれを検査していたが、テロリストや「精神状態がおかしくなった人間」は、常に、周囲の行動をすべて計算した上で行動するので、事実上は、対策がないと考えておいて間違いない。
14年前の9・11事件では、世界貿易センタービルだけでなく、あの強固な建物のペンタゴンが航空機で直接攻撃されたため、アメリカでは「原子力施設へのテロ攻撃」が特に深刻重大であるとされ、警備が厳重になった通り、原発は最も危険な存在である。
ところが、川内原発をはじめとする日本のすべての原発の審査の対象では、テロ対策を外しているのだ。
一体、原子力規制庁が、テロ対策の何を審査したのか! 何もしていない。
『チャイナ・シンドローム』では、全編を流れるテーマが、原発の事故対策がどれほどいい加減であり、不正に満ちているかを描いた、という点が最重要の訴えだった。
まるで現在の原子力規制委員会・規制庁とそっくり同じだ。
このままではすまない!!
これで再稼働して事故を起こせば、「未必の故意」の刑事犯罪で、原子力規制委員会の田中俊一委員長以下、規制庁の全員を裁判所に呼ぶつもりである。