ニューホープ!
「ガスヒートポンプエアコン」の躍進
もうひとつ、ガスヒートポンプエアコンの活躍も、めざましいものがある。
日本のオフィスでは驚いたことに、夏場の電力消費の40%がエアコン(つまり冷房)に食われてきた。
左の図のように、北海道を除けば、夏の一日の電力の消費者の分布は、昼過ぎ2~4時あたりに電力消費のピークに達するが、オフィスなどの業務用ではそのピーク電力の40%を冷房に使ってきた。
それを動かすのが、電動エアコンであった。
ところが、ガスヒートポンプエアコンを使うと、このピーク電力の90%をカットできるのだ。そこで2013年度には注文が殺到して、震災後に売り上げがほぼ倍増の急伸中である。安価なガスを使うことによって、まったく節電などせずに、今まで通りエアコンを動かして、ますます電力の消費量が減ったのである。
安倍晋三がやろうとしている、再び原発を動かす暗黒時代を、読者は求めますか?
ガス火力であれば、運転を停止しても、すぐに運転を再開できるが、原発は地震で運転を停止すれば、当分動かせない不細工な発電所である。
ちょっとした地震で、その電力不足を起こすのだから、日本の産業機能と社会生活を破壊する発電所だ。
電気は、日本の江戸時代、1800年代に現在の発電法の基本技術が発明されて、昔から使われてきた貴重なテクノロジーである。決して、「電気を使うこと」に問題があるのではない。
パソコンであれ、インターネットであれ、電話であれ、テレビであれ、冷蔵庫や洗濯機の家庭電化製品であれ、あらゆる工場の機械であれ、福祉用の医療機器であれ、電気なしには日本人の生活は成り立たない。
よくここまで使いこなしたものだと、人間の知恵に驚嘆するほどだ。
その発電法を、核分裂に頼るところから、まったく別の深刻な問題が生まれるのだ。したがって、これは、電気の問題ではない。発電法の選択の問題にすぎない。
安倍晋三に尋ねる。
電気が足りているのに、なぜ原発を動かす必要があるのか!
ガスヒートポンプエアコンの威力を知っているのか?
自家発電企業のすぐれた努力を知っているのか?
原発は、限りなく危険なものであることが実証されたのだから、廃絶すればいいのだ! こんなことも分らずに、よく「国民の命を預かる」総理大臣でいられるものだ。
こんな人間を党首にかつぎだす自民党の腐敗と堕落は、もはや国民の忍耐の限度を超えている。連立を組む公明党も同罪だ。
電力会社も電力会社だ。自分がつくった物を売るのに、ほとんどの消費者が「いやだ!」と言っている原発をわざわざ選んで使うとは、消費者の存在を無視している独善的企業だ。顧客の意思を考えずに物を売るとは、企業人として、完全失格だ。
一般の企業であれば、「お客様は神様」だから、ユーザーを怒らせるこのような非常識は、まったく通用しない。
なぜ電力会社だけが、いつまで、「社会悪」のラベルを貼られ、「誰からも嫌われる企業」から脱却しようとしないのか。人間としての常識を、どこで欠いたのか。