巨大なクレーンがごみをつかみ上げる Photo by Mayumi Sakai
巨大なUFOキャッチャーのようなクレーンが、大量のごみを持ち上げ、混ぜる。燃えやすいごみと燃えにくいごみをうまく混ぜないと、適切なペースで燃えないためだ。人力で行っていたこの作業を、AIにやらせる企業が出てきた。荏原製作所のグループ会社 荏原環境プラントはAIで運転時間の9割を自動化したが、それでもまだ人間の「匠の技」には追いつけないという。慢性的な人手不足、技術継承の難しさ、施設の安定運転。社会インフラを支えるごみ処理場は、今、静かに危機を迎えている。(ノンフィクションライター 酒井真弓)
ごみの山を操るド迫力のAIクレーン
誰もがごみを出す。でも、その先を想像したことはあるだろうか。
ここは、都内のとあるごみ処理施設。巨大なクレーンが目に飛び込んできた。眼下には約3600トンのごみが山のように積まれている。クレーンが大量のごみを掴んで持ち上げる様子は、まるで巨大なUFOキャッチャーだ。ただし、スケールも動きもド迫力。クレーン本体だけで数トンの重さがあり、一度に掴み上げるごみの量も数トンに及ぶ。
このクレーンの役割は、ごみを運ぶだけではない。この施設を運営する荏原環境プラントの若林真悟所長が説明してくれた。
「一口に燃えるごみと言っても、紙ばかり焼却炉に入れると一気に燃えてしまう。逆に生ごみばかりだと温度が下がって燃えにくい。だからこのクレーンで、ごみを均一に撹拌(かくはん)する必要があるんです」
荏原環境プラント株式会社 運営事業部 運営管理部 運営管理課 管理事務所長 若林真悟さん。施設の運営を統括しながら、自らクレーンを操るプロフェッショナル Photo by M.S.







