日本全土の4分の1で「自家発電」が!

 もっと大きな希望がある。

 実は、さきほど示したガス・石炭など電源別のシェア分布の数字は、電力会社の分だけである。2013年度の資源エネルギー庁電力調査統計によると、「自家発電」の発電量は、すでに全発電量のうち24.5%を占めているのだ。

 自家発電?

 そう、東日本大震災後、主に一流の大企業が電力会社から電気を買わずに、自社で発電して、工場などでの大量消費電力をまかなうようになっているのだ。それがすでに日本全土の4分の1を占めるまでになっている。
 これは大変な数字である。

 その主力電源も、ほとんどがガスと石炭である。勿論、原発の電気は1ワットも入っていない。自動車メーカーのトヨタ、ホンダをはじめ、通信業界のNTT、ガス大手の東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部《さいぶ》ガス──これらの優秀なエネルギー企業が、来年4月からの電力完全自由化でいっせいに動き出す。

 そして電力会社よりはるかに安い値段で、われわれ一般家庭に電気を売ってくれる時代に突入するのだ。