「なぜ人は効率化するほど息が詰まるのか?」“締め切り”だけが人生を整える
「本を読むのが速い人の秘密」がわかった!
読書中、私たちは文字を脳内で“音”に変換し、その音で理解しています。ポイントは「音の理解速度」。ここを鍛えれば、読書は一気に変わります。本連載は、耳から脳を鍛え、速読力を高める「速聴トレーニング」をお伝えするものです。脳を鍛えることで、理解力、記憶力、集中力もアップします。そのノウハウをまとめた『耳を鍛えて4倍速読』の刊行を記念し、本記事を配信します。
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なぜ人は効率化するほど息が詰まるのか?
本日は「効果的な時間の使い方」についてお伝えします。
時間を濃く使うための本質は「締め切り効果」と「習慣化」、この2つにほぼ集約されます。世の中には時間術に関するノウハウが山ほどありますが、それらをいくら足し算しても、結局「時間が足りない」という感覚は消えません。ノウハウを増やすほど、やることも情報も増えてしまい、疲弊します。
だからこそ大切なのは、「この時間の中でしかやらない」と決めることです。時間帯ごとに、何をインプットするかを最初から固定してしまう。そうすると、その限られた枠の中で、自然と時間の密度を上げようと考えるようになります。
考えすぎると、インプットの質は下がる
時間を決めずにいると、人は必ず迷います。今は何を読むべきか、何を聴くべきかと考え始めた瞬間に、インプットの質は一気に落ちます。考える時間そのものが、最大のロスになるからです。締め切りがあるからこそ、インプットの内容が研ぎ澄まされていきます。努力でどうにかしようとする発想に入ってしまうと長続きしません。
「何を入れるか」より「何を入れないか」を決める
次に重要なのが、「何をインプットしないか」を決める視点です。今は本、YouTube、新聞、テレビ、ラジオなど、情報を受け取る媒体が溢れています。問題は情報量ではなく、それが自分の人生や行動に影響を与えるかどうかです。
移動中と「目を使う時間」は切り分ける
移動中は強制的にマルチタスクになるため、耳からのインプットが非常に合理的です。音声コンテンツやオーディオブックは、時間を奪わずに情報を届けてくれます。一方で、目を使うインプットは人生の多くの時間を占めるぶん、より厳選する必要があります。この判断ができるようになると、時間の充実度は大きく変わります。
意味のあるものは、すぐに意味のないものになる
ここで一つ、少し意外な話があります。意味のある知識は、実はすぐに意味のないものになりがちだということです。生産性を高めるために効率化を突き詰めていくと、最終的には「もっと努力しよう」「もっと削ろう」という思考に行き着きます。そうなると、かつては意味があった知識も、息苦しいものに変わってしまいます。
イノベーションは「無意味」に見えるところから生まれる
大きな飛躍やイノベーションは、意味のあるものだけを追いかけていても生まれません。従来の延長では届かない目標を考えたとき、人はゼロから発想し直します。そのきっかけになるのは、何気なく触れていた一見無意味な情報だったりします。テレビで耳にした一言や、ラジオから流れてきた表現が、意味のある知識と結びついた瞬間に、アイデアが生まれるのです。なんとなく過ごした時間も、いつか何かと結びつく可能性を秘めています。時間の密度を高めようと自分を追い詰めるよりも、さまざまな媒体から幅広く取り入れ、日々を楽しむ。そのほうが結果的に、生産性も創造性も高まっていきます。
「人生を変えるインプット」とは何か?
良質なインプットとは、すべてを効率化することではありません。締め切りと習慣で時間を整えつつ、意味のあるものと意味のないものの両方を受け入れること。そのバランスを許せるようになったとき、インプットは義務ではなく、人生を豊かにする土台になります。
(本原稿は『耳を鍛えて4倍速読』の一部抜粋・取材加筆したものです)







