『ばけばけ』第98回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第98回(2026年2月18日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
トーストを網で焼くと片面が焦げる
第98回を筆者は「ばけばけ」の傑作回のひとつに数えたい。
笑って笑って楽しい朝だった。
トーストが餅を焼くように焼かれている。
焼いているのはクマ(夏目透羽)。それを見ているのは丈(杉田雷麟)。
「偉かろ」と自慢げなクマ。
「偉い偉い。焦がしちゃいけないし、他の準備もしながら全員分焼いてるんでしょ」と丈がねぎらう。
「高級品だけん無駄にはできんし、ばってん気抜いとったらすぐ焦げるとたいね」とクマ。
確かに、焼肉と同じで、気を抜くと、焦げてしまう。おいしく焼くには、慎重な観察眼と経験値からくる判断力が必要だ。
「それに焦がすと先生うるさいしね」
「そうたい。私 機関車ですか、石炭 食べるですか」
「誰がパンに海苔(のり)貼れ 言いましたか? おにぎりですか?」
クマと丈のヘブン先生モノマネは、クマの圧勝。
ふざけているとトーストが焦げてしまいそうになる。
誰も見てなくても トーストがきれいに焼ける道具ができたらいいなあと想像する。そこから、魚焼き器や、米が炊ける機器。勝手に沸くお風呂。勝手に洗濯するたらい……と夢が広がる。
いちいち言うたびに「わーほしかー」と合いの手を入れる夏目透羽がうまい。有望新人である。
便利な道具ができたら世の女中や主婦はどんなに楽か。洗濯を冬の寒い時期でもたらいでごしごしやっていたなんていまや想像できないものなあ。
でも、便利な道具ができたら女中の仕事はなくなってしまうとクマは心配する。
確かに、この時代、ポピュラーだった女中という存在はいまや、よほどのお金持ちの家にしかいない。ただ、もう少しカジュアルな家事代行業務は誕生し重宝されている。
おしゃべりしていたら、トーストが焦げてしまった。







