「ネトウヨ」を怒らせて
ブランド認知度が124%アップ

 日本の「ネトウヨ」、韓国の「VANK」を例に出すまでもなく、どんな国にも強烈なナショナリズムを有するネットユーザーがいる。ルーマニアもしかりで、彼らがアメリカに魂を売った国民的チョコを売国奴さながらに厳しく批判、かつて花王やフジテレビが標的になったような抗議デモにまで発展したのである。

 と、ここまではよく聞く「炎上騒動」だが、「ROM」が他と一線を画していたのは、これらがすべて緻密に計算されたシナリオだったということだ。

 世論が大きく盛り上がったところで、星条旗プロモーションはジョークで、「ROMはルーマニア国民の誇り」ということを示すための「炎上商法」だったことを公表したのだ。結果、「ROM」のブランド認知度は124%アップし、市場シェアも大幅に回復をしたという。

 この「ROM型炎上商法」は、実はかなりベタなスキームである。12年、ニュージーランドの「Monteith's」というサイダーのケースのなかに、小枝が紛れ込んでいることが発覚した。この国でも食の異物混入は大問題である。08年には最大手の乳製品メーカー「フォンテラ」が出資している中国の粉ミルクメーカーの製品に、メラミンが入っていて大騒ぎになったこともある。

 問い合わせが殺到してメーカーはすぐに謝罪広告を打ち、混入の原因を濃縮還元していなかったからと説明した。つまり、これは「大自然の中でつくられているサイダー」というPRであり、ワザと小枝を紛れ込ませたということだったのだ。

 日本ではツッコミを入れるようなネタをわざと仕込んでネットユーザーを引っ掛ける行為は「釣り」と呼ばれ、ネガティブに受け取られているので、もしそのまま同じことをすれば「騙した」などと批判を浴びそうだが、そのような悪評も織り込み済みでおこなう「ROM型炎上商法」というのは日本でもよくおこなわれている。

 最近の事例でいえば「絶歌」だ。

 ご存じ、神戸連続児童殺傷事件の犯人である「少年A」が著した手記のことだが、この出版をめぐってはネットだけではなくテレビや新聞でもさまざまな論争が起きた。

 その内容もさることながら、「印税の使途を明かさない」「被害者遺族にはなんの説明もなく出版後に本を送りつけた」というスタンスも厳しく批判され、著名人が「不買」を呼びかけたり、一部書店や図書館が、発売や収蔵を拒否するなどの騒動にも発展したのは記憶に新しい。