バフェットの持ち株会社がお手本
グーグルが大幅な組織改編を行うというニュースは、いろいろな憶測や考察を生み出している。
この組織改編で、現在のグーグルは持ち株会社とその傘下企業という構成に整理されることになる。
持ち株会社の名前はアルファベット(Alphabet)。何ともグーグルらしい命名だが、現グーグルのCEOで共同創業者のラリー・ペイジはアルファベットのCEOにつき、同じく共同創業者のセルゲイ・ブリンは同会長に、そしてエリック・シュミットは代表取締役会長となる。
傘下企業には、グーグル(検索、広告、マップ、ユーチューブなど)、カリコ(長寿研究)、ネスト、ファイバー、グーグルX、グーグル・ベンチャーズ、グーグル・キャピタルなどが並び、それぞれが独立した会社となる。現在はグーグルのナンバー2で、製品担当上級副社長であるサンダー・ピチャイが新生グーグルのトップに就き、グーグルの収入を担ってきたさまざまな事業を統括するという図だ。
この組織改編は、著名な投資家ウォーレン・バフェットの持ち株会社である「バークシャー・ハサウェイ」に倣ったものと見られている。ベイジは、バフェットに対する尊敬の念をたびたび表明しているからだ。
バークシャー・ハサウェイには、チョコレート・メーカーから家具屋チェーン、プライベート・ジェット会社、鉄道会社までさまざまな企業が連なっている。いずれも有能で人格者のトップが経営にあたっているというのが共通点だ。
これに似た構成にすることで、グーグルの各事業が独立性と透明性を増すだろうというわけだ。