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めまぐるしく変わるITだからこそ
長期計画の策定が重要になる

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第48回】 2015年9月4日
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 また、新たな事業戦略の実現のためや新規技術への対応のために、IT施策が追加されることもあろう。多くの場合、IT施策同士は何らかの関係性を持っている。環境が変化し、施策の追加・変更が繰り返されることによって、従来の施策と新規の施策の関係が不明確になる、どちらを優先すべきかわからない、施策間に矛盾や不整合が生じるといった問題が発生しがちとなる(図1)

長期ITロードマップの必要性

 技術の大きな転換点に直面している状況においては、技術の向かう先を正確に予測することは困難といえる。しかし、このように激変する環境であるからこそ、羅針盤となる長期視点の計画が必要となる。

 経営者を含むユーザーとIT部門が情報化構想に対する認識を一致させるためにも、また近視眼的な戦術に終始しないためにも、大きな方向性を示した拠り所となる構想図やIT計画が求められるのである。ここで取り上げている長期ITロードマップは、5年から10年の単位を想定し、比較的大規模なIT関連施策を優先順位を付けたうえで、達成までの大まかなスケジュールの全体像を時系列で表現したものである。

 具体的な施策の遂行は、中期経営計画などを受けて3年程度を想定した中期IT計画や、予算を考慮した年度計画に基づいて行われるのが一般的である。長期ITロードマップは、中期IT計画や年度計画を作成する際に参考にする基本計画として位置づけられる(図2)

 また、ビジネス要求や技術環境の変化を受けて新規施策が追加されたり、従来の施策に変更が生じた場合には、長期ITロードマップにも変更を加え、新規施策がどこに位置づけられるのか、従来の計画にどのような変更が加えられるのかを明確にしつつ、ロードマップを最新の状態に保つよう定期的に見直すことが求められる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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