では、ホテル内に禁煙の空間が増えたなかで、万が一、禁煙の客室でタバコを吸う顧客がいた場合は、どんな対応を行っているのだろうか。

「昔から我々には『客室にはまず鼻から入れ』という教えがあるほど、客室アテンダントが客室を清掃するときは、ニオイに気をつけています。頻度は多くありませんが、もしタバコだけでなく、ニオイを感じるときは、空気清浄機などで空気の入れ替えをし、消臭スプレーで消臭・脱臭対応を行っています。それでもニオイが消えないときは、長ければ1週間ほど販売を停止することもありますね」(畳谷さん)

 また最近では、海外からの宿泊客も増加。室内で大量に香水をふる文化を持つ宿泊客も少なくなく、客室の手入れが大変になることもあるという。ベッドのシーツなどなら洗い替えができるため問題がないが、ソファやじゅうたんなどにニオイが残るときは、簡単に洗い替えができないために販売停止にせざるをえないこともあるそうだ。

出勤日前日はNGな食べ物も!
ホテルマンは究極の“役者”だった

リーガロイヤルホテル東京でグループサービスチーム長を務める畳谷恵介さん

 ここまでリーガロイヤルホテル東京の空間におけるスメルマネジメントを紹介してきた。しかし同じ接客業で働く方なら最も気になるのは、スタッフ自身のニオイ対策だろう。同ホテルではどのような対策をしているのだろうか。

「我々は、お客様と近くで接することもしばしばですから、“身だしなみのスタンダード”を持っています。髪の色は黒で、きちんと整髪して清潔感を大切に。また、ひげや爪を整えるなど、不快感のない身だしなみに気をつけています。お料理を出すこともありますから、香水はもちろん禁止、整髪料も無香料のものをつけるように徹底しています。基準に満たない場合は、お客様の前には出られませんので、チェックリストなどを活用し指導しています」(畳谷さん)

 制服についても、毎日取り換えており、汗のついたものを2日続けて着ることはない。調理係については、熱いキッチンで仕事をするため、昼と夜で調理服を着替えることも。リネン室で毎回、洗い替えを用意してくれるのだという。