このやり取りを正確に行うために、消費税額が別記されたインボイスが必要となる。

 買手から見れば、売手に消費税を支払う([1])と同額が、自らの納税時に控除される([3])ので、差し引きゼロとなり、自らの消費税負担はない。相手側に支払うけれど同額が控除される、こうして事業者は自ら消費税を負担しないメカニズムができ上がる。

 税務当局(国)は、売手から納税される消費税額([2])と、買手からの控除消費税額([3])の一致を、インボイスによって確認する。これが消費税の納税メカニズムである。 

事業者にVATナンバーが付される
英国インボイスの実例

 第2に、インボイスはこれを持っていると消費税額が控除される(インボイスは金券)ので、その真正性を担保する必要がある。そこで、インボイスには事業者番号(VATナンバー)が付されることになる。

 インボイスには、「取引事業者の住所氏名、取引価格(税抜き)や適用税率・消費税額」に加えて、チェックするための「VAT番号(事業者番号)」が必要となる。チェックするのは、税務当局ではない。取引の相手側も、その事業者が実在する課税事業者であるかどうか確かめておかないと、後で税務署から否認される可能性がある。

 法人については、番号制度の開始に向けて付番が進んでいる法人番号が活用されるだろう。問題は個人事業者の番号である。個人事業者の番号にマイナンバーを使うことは、個人情報保護の観点から無理だろう。そうであるなら、新たに税務署が事業者番号を付番する必要がある。これには相当時間がかかる(一定期間の猶予が必要)だろう。

 その際参考になるのが、本年10月から始まった次の制度である。海外から日本の消費者に直接電子書籍などのITサービスを行う者には、「国外事業者の国税庁長官への登録」が必要となり、登録事業者が提供するサービスだけに国内事業者の仕入れ税額控除が認められることとなった。