森信茂樹

森信茂樹

東京財団政策研究所研究主幹

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

「消費税減税」が愚策の3つの理由、やるならポイント還元の“日本型軽減税率”
森信茂樹
参議院選挙を控え、物価対策やトランプ関税対策で与野党が「消費税減税」を掲げるが、ドイツや英国での例を見ても期待される効果は薄く、社会保障費や防衛費の増大が確実に予想されるなかで巨額の財源が失われるリスクは大きい。それでもやるのならマイナンバー活用で低所得層に絞った「日本型軽減税率」導入を検討すべきだ。
「消費税減税」が愚策の3つの理由、やるならポイント還元の“日本型軽減税率”
25年度予算「29年ぶり国会修正」で成立確実、財務省“最強伝説”は遠い昔
森信茂樹
2025年度予算案が3月4日に衆院を通過、成立が確実になった。少数与党の下、高校教育無償化などの野党要求の一部を入れて29年ぶりに当初予算の国会修正となった。石破政権での財政赤字拡大の要因を見ても財務省が予算編成で政治をコントロールする力を持つという“財務省最強伝説”はもはや過去のものだ。
25年度予算「29年ぶり国会修正」で成立確実、財務省“最強伝説”は遠い昔
「ザイム真理教たたき」では解決しない、「103万円の壁」見直し議論で欠落した視点
森信茂樹
「103万円の壁」問題が来年度税制改正の最大のイシューのようになっているが、この議論には誤解が多いだけでなく所得税減収分の財源確保の議論が欠落している。総選挙では同様に財源を語らない減税公約があふれたが、人気取り政策では財政や社会保障の本質問題は解決せず事態は悪化するだけだ。
「ザイム真理教たたき」では解決しない、「103万円の壁」見直し議論で欠落した視点
金融所得課税や医療保険料「応能負担」具体化できるか、石破新政権で深めるべき「受益と負担」論議
森信茂樹
石破新政権は岸田政権の政策継承を掲げるが、防衛増税や社会保障の安定財源確保の議論は十分に深まらず、財源問題は先送りされた。医療介護の保険料や金融所得課税などで「応能負担」をどこまで具体化するかなど、国民の「受益と負担」の問題に取り組むべきだ。
金融所得課税や医療保険料「応能負担」具体化できるか、石破新政権で深めるべき「受益と負担」論議
半導体「巨額補助金」はコントロール必要、財源は租税特別措置縮小・廃止で捻出を
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唐突な「酷暑乗り切り緊急支援」など岸田政権のバラマキ政策が続くが、半導体産業への巨額補助についても、法人税の租税特別措置の縮小・廃止で財源を確保するなど、ペイアズユーゴー原則導入や特定財源方式で歳出と歳入を同時にセットするやり方で規律を維持する必要がある。
半導体「巨額補助金」はコントロール必要、財源は租税特別措置縮小・廃止で捻出を
財政健全化目標を廃止!?自民積極財政派が掲げる「MSSE」の“いいところ取り”は許されない
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6月の骨太24方針策定に向けた財政政策の議論でPB黒字化目標の廃止・先延ばしを主張する積極財政派が掲げるのが「MSSE」と呼ばれる「財政支出による成長戦略」だ。日銀が金利正常化に踏み出し利払い費の増加が見込まれる中で果たして現実的な策なのかは疑問だ。
財政健全化目標を廃止!?自民積極財政派が掲げる「MSSE」の“いいところ取り”は許されない
少子化対策財源「国民負担増なし」のトリック、歳出改革先延ばしの“悪知恵”
森信茂樹
2024年度を初年度とする異次元の少子化対策は岸田首相が掲げる「国民負担増なし」を表向き繕ったが、財源を捻出するという歳出改革は24年度予算を見る限り不十分だ。また診療報酬や介護報酬引き上げのうち、医療従事者や介護従事者の処遇改善による負担増は負担とは見なさないなど、ごまかしや詭弁が目立つ。
少子化対策財源「国民負担増なし」のトリック、歳出改革先延ばしの“悪知恵”
「インフレ税」加速しかねない経済対策“想定外の増収”の正体
森信茂樹
政府は税収増などを「成長の成果」として経済対策をまとめ国民に還元するというが、増収はもともとインフレによる増税や巨額予備費を使いきれなかったものだ。景気回復下での財政出動は「インフレ課税」を加速し、国民にさらに負荷をかけることになりかねない。
「インフレ税」加速しかねない経済対策“想定外の増収”の正体
「黄金の3年間」の半分を浪費した岸田首相、少子化対策・防衛費・GXの“財源先送り”
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岸田政権の重要政策の財源はすべて具体的な根拠不明の「歳出改革」と「つなぎ国債」での対応だ。昨夏の参院選後の3年間は国政選挙がなく負担増問題で首相が指導力を発揮できる期間だがその半分を浪費した。
「黄金の3年間」の半分を浪費した岸田首相、少子化対策・防衛費・GXの“財源先送り”
安倍元首相は財務省をなぜ嫌ったのか、「回顧録」で浮き彫りになったアベノミクス
森信茂樹
安倍元首相の回顧録には消費増税に対する財務省への激しい敵愾心が書かれている。なぜ財務省を嫌ったのか、浮き彫りになるのはアベノミクスのポピュリズム的側面と政策決定で幅広い議論を軽視する二面性だ。
安倍元首相は財務省をなぜ嫌ったのか、「回顧録」で浮き彫りになったアベノミクス
こども政策・GX・防衛費「財源3兄弟」先送りで浮き彫り、岸田政権の不安な総合力
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23年予算編成の目玉であるこども政策、GX、防衛費増強は巨額の財源がいずれも確たるめどがないままのスタートで国債依存が深まる。予算編成は政権の総合力を示すが、岸田政権3年目の政策遂行や財政運営は多難だ。
こども政策・GX・防衛費「財源3兄弟」先送りで浮き彫り、岸田政権の不安な総合力
防衛費「GDP比2%」ありきの増額論議が抱える決定的な欠落
森信茂樹
ウクライナ侵攻を機に、防衛費を5年以内にGDP比2%に増額する議論が熱を帯びる。だが、額の根拠が不明なだけでなく巨額の政府債務を抱える状況で財源をどうするのかなど、肝心な問題が置き去りだ。
防衛費「GDP比2%」ありきの増額論議が抱える決定的な欠落
「消費税減税」恩恵は高所得者に偏る?野党の物価高対策は国民の支持を得られるか
森信茂樹
参院選の争点の物価高対策で消費減税が国民の広い支持を得られるかは、その効果も含めて疑問だ。高所得者に減税の恩恵が偏るうえ、全世代型社会保障の持続性を危うくすることになるからだ。
「消費税減税」恩恵は高所得者に偏る?野党の物価高対策は国民の支持を得られるか
中身不明な「新しい資本主義」、成長と分配で忘れられた“政府の役割”
森信茂樹
岸田政権が掲げる「成長と分配の好循環」には所得再分配政策が重要だ。社会保障の持続性を高める一方で働き手が成長分野で仕事ができるよう職業訓練などに政府主導で取り組む必要がある。
中身不明な「新しい資本主義」、成長と分配で忘れられた“政府の役割”
デジタル課税と最低法人税率のG20合意はどれだけ「画期的」か
森信茂樹
GAFAなど大規模多国籍企業へのデジタル課税の国際的枠組みと、引き下げ競争が続いていた法人税率に下限を設けることについてG20・OECD(経済協力開発機構)で基本合意が成立した。これまでの課税のあり方を大きく変える画期的な合意だ。その歴史的意義と今後の課題を整理した。
デジタル課税と最低法人税率のG20合意はどれだけ「画期的」か
バイデン政権の転換で「法人税引き下げ競争」は終わるのか
森信茂樹
バイデン政権が法人税率引き上げや多国籍企業の税逃れを抑える世界共通の最低税率導入を掲げた。90年代以降続いてきた「法人税率の引き下げ競争」の転換点になる可能性がある。
バイデン政権の転換で「法人税引き下げ競争」は終わるのか
新型コロナ対策、個人支援の決め手は「マイナンバー活用の現金給付」
森信茂樹
新型コロナウイルス問題での経済対策で重要なのは、「規模」や「ばらまき」でなく、中長期的な視点で社会のインフラを作ることだ。今こそマンナンバー制度を活用し、支援が本当に必要な人への現金給付を実施すべきだ。
新型コロナ対策、個人支援の決め手は「マイナンバー活用の現金給付」
GAFAへの新課税権合意、「1000億ドル」巡る国際課税争いの今後
森信茂樹
GAFAなどの多国籍IT企業に対する課税で「市場国」が新たな課税権を得ることなどで合意した。全世界で年間1000億ドルの税収増が見込まれるが、制度作りでの合意形成が課題だ。
GAFAへの新課税権合意、「1000億ドル」巡る国際課税争いの今後
GAFAへの課税包囲網は狭まらない、「デジタル税」が難航する理由
森信茂樹
GAFAに代表される多国籍IT企業への課税強化の取り組みが始まったが、国際的な体制作りのハードルは高くEUでは「デジタル税」導入が合意できず見送られた。政府VS企業だけでなく、税源配分をめぐって米国、欧州、新興国などの利害が違うからだ。
GAFAへの課税包囲網は狭まらない、「デジタル税」が難航する理由
消費増税対策は「やり過ぎ」、ポイント還元や商品券は無駄金だ
森信茂樹
プレミアム商品券やポイント還元などの消費増税対策は“過剰”で政策目的も曖昧だ。ポイント還元をするならマイナンバーカードを活用するなど、税と社会保障制度を一体的に設計する発想が必要だ。
消費増税対策は「やり過ぎ」、ポイント還元や商品券は無駄金だ
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