溺死は12月と1月に
なぜ集中発生するのか

「不慮の溺死及び溺水」は、季節の変動要因が大きいことが、他の不慮の事故と違うところである。溺死だから夏に増えると考える向きも多いだろうが、じつは逆。12月と1月の死者数が、7月8月に比べて3倍近くになっている。それは、溺死が海水浴や川遊びではなく、7割以上が浴槽内での溺死であり、さらにそのうち8割以上が70歳以上の高齢者であるからだ。寒いから風呂に長湯、これが死を招くということだ。

 さらに「不慮の事故」のなかでの、「航空機事故」での死者は6人で、うち3人はグライダー。航空機の乗降中に死んだ人が1人いる。

 雪や氷で滑って死んだ人は6人。犬による咬傷又は打撲は1人、「そのほかのほ乳類」によるものは6人で、そのうち5人は農場が発生場所なので、恐らくは牛か馬である。ちなみに「ワニ」の項目も用意されているが2014年は1人も死者は出ていない。水泳プールでの溺死は転落を含めて4人、これが自然水域(海や川など)になると1612人と圧倒的に多い。

 自殺は2万4417人、他殺は357人。自殺では圧倒的に縊首・絞首及び窒息、つまり首を吊る方法が多く、次にガス自殺(その他のガス及び蒸気による中毒及び曝露)、そして飛び降りであり、多くの人に影響が出る列車への飛び込み(移動中の物体の前への飛び込み又は横臥による故意の自傷及び自殺)は533人と、首吊りの3%にも満たない。

 他殺(統計上は「加害にもとづく傷害及び死亡」)では、もっとも多いのは鋭利な物体による加害で、120人。内訳は男性66人、女性54人と性差は大きくない。一方で縊首、絞首及び窒息によるものが117人で、特に女性が72人と男性の倍近い数になる。いわゆる殺しのほとんどは首を絞めるか、刺すかであり、拳銃、ライフルともに1人ずつ、刑事ドラマのような射殺は、じつはほとんど起きていない。

 ちなみに法務省のまとめによると、未遂犯を含めた殺人事件の国際比較では、日本の人口あたり発生率は米国の5分の1、フランス、ドイツ、英国の半分以下であり、検挙率はドイツと並んで95~97%(米国は65%前後)。ここでも日本は安全な国なのだということが分かる。