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「2人に1人ががんにかかり3人に1人ががんで死ぬ」と言われて久しい。実際、日本人の死因として、がんは1981年から第1位に居座り続けている。
男女別にもう少し詳しく見てみると、男性ではがん発症率は54%・同死亡率は26%、女性ではがん発症率は41%・同死亡率は16%となっている(独立行政法人がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」による)。このデータによれば、「2人に1人ががんに罹り」は適切でも、「3人に1人ががんで死ぬ」はやや大袈裟で、「5人に1人以上はがんで死ぬ」が正確のようだ。
ただし、一言でがん死亡率と言っても、粗死亡率(そしぼうりつ)に占めるがんの割合なのか、ある年齢までにがんで死亡する確率を表す累積死亡リスク(るいせきしぼうりすく)なのかで数値が違ってくるので注意が必要だ(「がん情報サービス」の数値は後者である)。
しかし見方を変えれば、意外にも、「10人に5人はがんに罹るが、うち3人はがんでは死なない」ということになる。
生存率は100%になる!?
15歳の高校生が開発した「がん早期発見法」
がんで死なないためには「早期発見が最も有効」と永らく考えられており、もはや常識となっている(「闘わない」主義の人にとっては、見つからないほうがいいのかもしれないが)。
現状、複数のがん種について調べられる検査としては、腫瘍マーカーが有力であるが、高価で早期がんについては精度が低いといった弱点もあり、患者予備軍としては、体への負担や苦痛がなく、より安価に、かつ正確に早期がんを発見できる検査に自ずと関心が向くことになる。
つまり、より手軽で安価に、かつ高精度に、全てのがんを早期発見できるがんスクリーニング技術に注目が集まるのは必然と言える。
そんななか筆者も、2年ほど前であるが、「アミノインデックス(R)」という検査技術を知る機会があった。紙幅の関係もあり、簡単に説明すると、以下のようなものである。
・血液中の各種アミノ酸の濃度パターン(アミノグラム)は本来(健康であれば)一定になるようにコントロールされている。
・多くの疾病で、臓器の代謝が変化し、アミノグラム(の形)も影響を受ける。
・単一のアミノ酸濃度の変化からでは特定の疾病の有無を判断することは難しいため、複数のアミノ酸を組み合わせ、統計的に解析する手法が開発された。
・例えば、がんなどの病気に罹るとアミノ酸の濃度バランスが変化し、アミノグラムはそれぞれのがんに特有なパターンを示す。
・検査結果から得られたアミノグラム(レーダーチャートにして視覚化もする)を健常者のものと比較することで、特定のがん種に関する罹患確率が分かる。