「確かに息子とは血が繋がっていません。でも、とても可愛いし、今までいろいろなところへ一緒に遊びに行ったし、たくさんの楽しい思い出があります。だから妻はともかく、息子とは別れたくないのが正直なところです。だから迷いに迷いました」

 まず「妻との離婚」ですが、哲人さんは離婚調停の呼び出しに対して、どのように答えたのでしょうか?

「妻と離婚することには何の抵抗もありません。妻は今まで僕のことを何度も何度も裏切ってきましたが、まともな人間だとは思えません。妻と結婚していると、また別のことで悩まされるに決まっています。これ以上、関わりたくないんです」

 次に息子さんの件ですが、哲人さんは育ての親として、最終的にどのような結論に至ったのでしょうか?

「『親子関係不存在の確認』の調停を受け入れることにしました。親子の縁を切ることに決めました。僕のことを実の父親だと思って慕ってくれた息子のことを考えると断腸の思いですが、これは息子の将来を考えてのことです。息子はこの春、小学校に入学するのですが、これ以上、長引かせて入学の手続を混乱させるわけにはいきません」

 哲人さんは最後にこう言い残して私の事務所を後にしました。

「先生にこのような相談をしなければならないことがとても悲しいです。過去の経緯はどうあれ僕のせいで何の罪もない、かわいい息子を傷つけてしまったことに変わりはありません。本当の父親と妻は今でもやり取りがあるのでしょうか?息子もそちらに行った方が最終的には幸せでしょうし、そうなれば、きっと僕のことは忘れてくれるでしょう。今はそう願いたいです」

既婚者だった妻の元彼と
6ヵ月後に再婚した妻

 残念ながら哲人さんの予感は悪い方へ的中したようです。哲人さんと離婚が成立してから、ちょうど6ヵ月後、妻は元彼(子の実の父親)と再婚したという報が哲人さんの耳に入ってきたのですが、それだけではありませんでした。風の噂によると、元彼というのはもともと既婚者だったのですが、ようやく(元彼の)妻との離婚が成立し、彼女(哲人さんの前妻)と再婚することができたとのこと。少し複雑なので話をまとめましょう。