ジャパンラグビートップリーグが開幕した。
ご存じの通り、ラグビー日本代表はW杯で南アフリカを破る大金星を挙げただけでなく、3勝1敗という堂々たる成績を収めた。その効果もあってラグビーに対する注目度は一気に上昇。代表選手がプレーするトップリーグの試合を観たいという人も急増した。
そのリーグ戦が13日に始まったのだ。当然、各スタジアムは超満員の観客で埋まると思われた。ところが、意外なことに空席が目立ったのである。
チケット完売も空席が目立ち
ラグビー協会側も即座に謝罪
13日の19時から秩父宮ラグビー場で行われた開幕戦、パナソニック-サントリー戦の観客数は1万792人。公表されている秩父宮の収容人数は2万4871人だから、半分にも満たなかったことになる。また、五郎丸人気で早々にチケットが売り切れたといわれた14日のヤマハ発動機―トヨタ自動車戦の観客動員数は8676人。会場のパロマ瑞穂ラグビー場は1万5000人収容だから、この試合も満員にはならなかったのだ。
この不可解な事態は開幕戦の翌日、ニュースにもなった。W杯でも活躍したパナソニックのスクラムハーフ、田中史朗がガラガラのスタジアムを嘆いて、チケットを販売した日本ラグビー協会を批判。「日本代表の選手が死にものぐるいで戦って勝って、これでやっとラグビー界も変われるんだ、トップリーグを盛り上げるんだって、そういう思いでこの日を迎えたのに。なんでラグビー協会は分ってくれないのか」と語り、「ラグビーが負けた日です」とまで言った。その言葉に対してラグビー協会側もすぐに会見を開き、不手際を謝罪したことで、ニュースになったのだ。
一般向けの前売りチケットは完売し、当日券の販売もなし。会場には当日券で観戦しようというファンが大勢いたのに、入場することはできなかった。会見では謝罪とともに、なぜ、このような事態になったのかが説明された。
協会では2万人を満員と想定してチケットを用意。両チームに9000枚、回数券などに3000枚、スポンサーや各都道府県協会に3000枚、そして一般販売として5000枚を割り当てていたという。一般販売のチケットを購入した5000人と回数券を購入する熱心なラグビーファン3000人、計8000人はほぼ来たはずだ。おそらく両チームの会社に割り当てられた分の多くが使われることなく、空席につながったのだろう。