日本・韓国が
高所得になれた理由

韓国はこの10年で中所得国を卒業して高所得国に入ったが、それは1997〜1998年のアジア通貨危機で痛手を被り、構造改革が余儀なくなったためだ。この結果、韓国経済は計画経済的な構造から、市場主義的な経済への移行に成功した。韓国をはじめ中所得国からの脱皮に成功した国は、構造改革や近代化に向けて強力な社会的・政治的コンセンサスがあったためといわれる。

2013年の3中全会は、市場の「決定的な」役割を訴えつつ、引き続き公共部門が重要であると強調した。たとえば国有企業は改革の対象になるが、どのくらいの規模の改革が、どのくらいのスピードで進むかは、はっきりしない。

「小君主」とあだ名される党幹部の子弟は、多くが国有銀行や国有企業と深くつながっている。改革を徹底的に実行すれば、彼らが黙っていないだろう。経済危機でも起きれば、成長が急減速して、党の支配は揺らぐだろう。しかし皮肉にも中国ではこうした危機が起きていないため、中央の指令型経済から市場経済への移行は難しくなっている。

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