──自動車産業や電機産業で、戦後、日本企業がアメリカ企業との競争に勝ってきたパターンですね。

 コンパクトで、高品質で、コストパフォーマンスがいい商品。まさに、日本の自動車会社が追究し、世界市場を席巻してきた商品です。クルマと旅行が大好きな私は、ずっと日本の自動車産業の成功パターンを意識してきました。

幅140cmのベッド、40型以上のテレビ、枕元に照明スイッチなどの機能をまとめた「新都市型ホテル」

 長年、「先を行く業種に学べ」と社員に言ってきました。商品作りでは自動車産業、マーケティングでは航空産業です。商品を在庫できないという面では、航空産業の座席とホテルの部屋は同じです。だから、ホテルの部屋を売り切る方法や利益率を高める方法(レベニューマネジメントなど)、ネットでの販売方法などについては航空産業を真似してきました。

 その中で、ホテル業界としては、独自の経営ノウハウを確立して、競争力を高めてきました。

──今後の日本のホテル市場については、どのように見ていますか。

 将来は、オーバーホテル現象が起きるだろうと予想しています。にわか需要につられて、ホテル供給が急増していますが、2020年のオリンピック後は、市場は急収縮です。その結果、経営が立ち行かなくなるホテルが出ると思います。そうなったら、不動産価格はがぐんと下がるから、その時、買えばいいと考えています。

──マーケットに合わせて、高級ブランドを展開する考えはありませんか。

 あります。今でも、「エクセレント」という名前で、やや高級仕様で展開しているホテルがあります。都市型ホテルを買収してリブランドしたものです。元々、部屋の面積が広いので、それを活用して、やや高級仕様にしています。例えば、京都祇園や、名古屋錦などです。

 北海道、東北は仙台以外、中国・四国地方のホテルは、買収によるものです。大都市圏は自社物件の新築で、新都市型ホテルの設計になっています。これが最も収益力が高く、当社の利益を稼いでいます。

──MC(ホテル運営の受託)はありますか。

 今はありませんが、今後はやっていく計画です。ただ、今、注力しているのは、直営とFCです。

──FCにおいて、フランチャイジーから得るロイヤルティフィーはジーの売上高の3%と、さらに販売促進負担金として1%ということですが、これは業界では標準的なのでしょうか。

 欧米の外資系ホテルはもっと高いのではないでしょうか。アメリカ進出に当たっては、私どものフランチャイジーになっていただく魅力を出さないといけないので、現地の標準よりは低めでスタートしています。

 まずはホテル数を増やして、1000万人の会員の利便性を高めることが優先事項です。利便性が高くなれば、ますます会員数が増えていき、全体の収益は上がっていきます。日本からの直行便が飛ぶ都市にアパホテルがあるようにしたい。収益率を高めるのは、その次の段階です。