中東の混乱は2030年まで続く
冷戦中の1960〜1970年代、ソ連の支配下にあった中央・東ヨーロッパをはじめ、アフリカや中南米には、いまよりずっとたくさん独裁体制があり、多くは安定していた。しかしそれは個人の自由を犠牲にして成り立っていた安定だった。
権威主義体制はその性質上、少なくとも外から見ると、政体としては安定している傾向がある。この種の体制が数多く崩れ去った結果、皮肉にも世界は、完全な民主主義が実現されるまで非常に不安定になった。
2030年になったとき、権威主義体制から民主主義体制に移行中の国が最も多いのは、サハラ以南のアフリカ(45カ国中23カ国)だろう。次はアジア(59カ国中17カ国)で、東南アジアでは11カ国中5カ国、中央アジアでは9カ国中4カ国になる。
3番目に多いのは中東と北アフリカで、16カ国中11カ国となる。中東の最近の出来事は、この地域が統治体制の移行に弱いことを示しているが、この状況は2030年まで続く可能性が高い。
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