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テスラの自動運転機能を初体験!
自走車時代はすでに始まっている

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第373回】 2016年1月15日
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 自走車関係者たちは、「自走車は人間ドライバーよりも安全」と盛んにアピールしているが、その真意が実感できるように思った。

 縦列駐車も自動で行う。目指す駐車スペースの前方に停まる車のすぐ横に停車すると、スペースを計測して駐車可能の「P」マークが表示されるので、それを押すだけだ。

ガレージから自動で出入りする「Summon」機能。(https://www.teslamotors.com/videos より)

バージョンアップで
着々と機能がアップする

 これらの自動機能は、洗練されたクルーズ・コントロールだともとれるが、オート・パイロット部分だけを見ると完全な自走状態とも言える。もちろん、未来の自走車が目標としているように、信号を認識したり横断歩道を渡っている人を見つけて停車したりはしないし、ナビゲーションに従ってハイウェイを降りて目的地に向かったりすることもない。現在のオート・ナビゲーションはあくまでもハイウェイの上の安定した走行環境で、人間ドライバーに代わって自走を行うだけだ。

 ただ、興味深いのは、このモデルSのようにハードウェアが搭載されていれば、機能は少しずつソフトウェアのアップデートによって高まっていくことで、その中には究極的には自走状態というのも含まれるだろうということだ。自律走行車が話題になっている昨今、自走車とはある日突然発売されるのかと勘違いしているが、このようにハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって、少しずつ一般ドライバーの中に浸透していくのだろう。

 実際、この試乗をした数日後、テスラはソフトウェアをさらに7.1にアップデートし、ふたつの自動機能を加えている。1つは、スマートフォンで車を呼び出す(Summon)機能。ガレージの外で待っていれば、モデルSが自動で外まで出てきたり、外で降りればガレージの中に自動的に入っていったりする。もう1つは、垂直駐車である。

 モデルSに搭載されたオート・パイロットに必要なハードウェアは、車体の前後につけられた12個のウルトラソニックセンサー、前方のレーダー、そしてフロントガラス上部のカメラだ。これで、車の周囲360度を計測し、認識する。

 自走車実現は、ほんのそこまで来ていることを実感した試乗だった。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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