離婚時には家庭裁判所で離婚調停を申し立て、調停のなかで決めた面会の約束はきちんと書面(家庭裁判所が発行する調停調書)に残したので、和也さんは当然のように息子さんと面会できると楽観していたそうですが、蓋を開けてみたら8ヵ月もの間、一度も息子さんと会えていません。

 和也さんいわく、元妻には前もって話を通しており、当日の待ち合わせ時間や食事の場所、送迎の担当などを決めておいたそうです。それなのに元妻は前日になって、「他の用事ができたから行けなくなった」とドタキャンしてきました。最近では元妻の断り文句も巧妙になってきて「○○(息子さんの名前)が『パパに会いたくない』と言っているから」と言い出したそうです。

「もしかして僕の悪口を息子に吹き込んでいるじゃないか」

 和也さんは気が気でならないようですが、もはや妻と息子さんとの会話を知ることすらできません。一方で和也さんは離婚から現在まで、毎月せっせと養育費を支払っているのですが、これでは和也さんが元妻に対して不信感を持つのは当然でしょう。「本当に息子のために使っているのか?お前のお小遣いじゃないんだぞ!」。

 和也さんは元妻に対して、養育費を何に使っているのか、具体的な内訳を聞き出そうとしたのですが、元妻は知らぬ存ぜぬで何も答えようとせず、挙げ句の果てには「文句があるのなら、息子に会せないからね!」と言わんばかりの態度で、まるで子どもを人質にとっているような物言いだったそうです。

「これじゃ、息子とは『生き別れた』のも同然です。養育費だけ払わされるんじゃ納得いきませんよ。最近は僕のような父親が増えているのでしょうか?本当に頭にきます!」

 このように和也さんは「わが子に会えない寂しさ」を日に日に募らせていったのですが、そのせいで心が荒んでいくのも無理はないでしょう。

悪妻と離婚できても
その存在が影を落とす

 ところで、悪妻と離婚できたとして、完全に縁を切ることができるのでしょうか?いや「妻の影」を完全に消すことは不可能で、実際には離婚したのにビクビク怯えながら暮らさなければならないケースは少なくありません。「元妻の存在」が影を落とすのですが、番外編として紹介しましょう。