大手銀行の内側とは?

 実際に働いてみなければわからない大手人気企業のリアルな姿を、「Vorkers(ヴォーカーズ)」に寄せられた社員・元社員のクチコミからリサーチ。社員満足度と社員による経営者への提言からみる会社の実態をご紹介します。

 今回は、マイナス金利に揺れる銀行業界をみていきましょう。2月半ば、普通預金の金利を引き下げると発表した三井住友銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行。それに続く形で、ゆうちょ銀行も普通預金にあたる通常貯蓄の金利の引き下げを発表しました。さらに2月末、大手3行は春闘でのベア見送りとする執行部案を固めました。地銀との連携による地方創生やフィンテックなど新たな取り組みも話題となるメガバンクですが、屋台骨を揺るがすマイナス金利に翻弄される中、各銀行の社員たちは今後の展望をどのように見ているのかクチコミから探ってみたいと思います。

※2007年7月~2016年3月16日までにVorkersに投稿された三井住友銀行(356人2424件)、三菱東京UFJ銀行(514人3354件)、みずほ銀行(477人3228件)、ゆうちょ銀行(117人749件)のレポート回答9755件(回答者数:1464人)を分析。

ベテランが活躍する三菱東京UFJ銀行、
若手が活躍できる銀行は…

 まず、ヴォーカーズによる社員満足度を図る8項目の数値評価からみていきます。この評価項目を総合的に見ることで、現場で働く銀行員たちがみる銀行の実態が明らかとなります。組織の内側から、各銀行の特徴を見ていきましょう。

 総合評価は三井住友銀行が3.39と最も高く、それにほぼ並ぶのが三菱東京UFJ銀行で3.30となっています。総合評価の差は大きくないものの、三井住友銀行は「待遇の満足度」、「社員の士気」、「風通しの良さ」、「社員の相互尊重」、「20代成長環境」、「人事評価の適性感」と、6つの項目で三菱東京UFJ銀行を上回っています。一方、三菱東京UFJは「人材の長期育成」、「法令順守意識」の2つが三井住友銀行よりも高い評価となりました。2行に比べ、全体的にやや低い評価となったのがみずほ銀行(3.17)、さらに評価が低かったのがゆうちょ銀行(2.65)という結果になりました。

「有休消化率」と「残業時間」はメガバンク3行に大きな差は見られなかったものの、ゆうちょ銀行と比較するとそれぞれ大きな差があることがわかりました。ゆうちょ銀行の「月の平均残業時間」は大手3行の約半分の23.1時間、「有休消化率」は大手3行よりも約20%高い77.9%となりました。元々官営であったゆうちょ銀行は、民間銀行と比較するとワークライフバランス重視型であるといえるでしょう。