民進党発足も高まらぬ期待
日本に二大政党は根付かないのか?
Photo:読売新聞/アフロ
今月を振り返ると、アメリカでは大統領選挙予備選のニュースが連日話題になっていた。
現在、連邦議会を制している共和党からは型破りなドナルド・トランプ氏が有力視されている。一方、オバマ現大統領の後継者となるべく、初の女性大統領を目指すヒラリー・クリントン氏が、民主党内で有利な戦いを展開している。
そんな盛り上がるアメリカを横目に、ついに日本でも政局が動いた。3月27日、「民進党」の結党大会が開催され、民主党と維新の党の合流が実現したのである。民主党は130名(衆71名、参59名)、維新の党は21名(衆議院のみ。参議院5名は当面合流せず)、合計151名の規模の政党が誕生する。
これでアメリカ同様、日本にもついに本格的な二大政党が根付くのか……と思いきや、マスコミ各社が行うアンケート調査の結果などを見ると、あまり有権者からの期待を集めているとは言えない状況だ。
1990年代初頭にバブル経済が崩壊して以来、20年以上もの時が経過するが、日本の政治は常に「二大政党」を目指しては失敗を繰り返している。「失われた3年」と呼ばれている、かつての民主党政権の失敗が象徴的なケースだろう。四半世紀も時間をかけてできないならば、二大政党体制はいっそもう無理だと諦めた方がよいのかもしれないという気もする。
アメリカをはじめとする他の先進国には、二大政党と言わずとも政党が安定している国が多いのに、なぜ日本の政党、ことさら野党は離合集散を繰り返し、こんなにも不安定なのか。
そして、新しく誕生した民進党への期待があまり高まらないのはなぜか。その背景には、民進党の政策担当能力への不安があるのかもしれないが、だとすれば、そもそも政策担当能力とは何だろうか。
予め断っておくが、筆者は学者ではない。マッキンゼーでコンサルタントとして働いた後、国会議員政策担当秘書として政治の世界へ飛び込んだ。与野党の国会議員事務所で2年半働いた後、兵庫県第10区(加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)より衆議院議員選挙へ出馬し、5万1316票を獲得するも落選。一民間人の感覚で政治の現場や裏側を見た経験を活かし、政治をできる限りわかりやすく面白く読者にお伝えしている。