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電子書籍の次は電子自費出版
出版の旧型ビジネスモデルに大変革を迫るLulu(ルル)

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第105回】 2010年7月28日
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 ルルで販売する本では、著者が自分の取り分を自分で設定し、それにルルが販売コストを上乗せして、最終的な本の価格が決まる。だが、販売コストは1~2ドル程度と実に少額で、場合によっては著者の取り分は80%にもなるのだ。10%前後という、従来の印税とは大きな違いだ。すべては、インターネットによって製作コストや流通コストが大きくカットされ、さらにプリント・オンデマンドで少量印刷が可能になったことの賜物だ。

 ルルには、編集やマーケティングのサービスを付加する有料パッケージもあり、またアマゾン、その他のオンライン書籍販売サイトへの販売も可能だ。自費出版が、大手出版社からの出版と引けととらないくらいに立派に遂行できるのである。

 ルルを創設したのは、無料ソフトウェアのリナックスのソリューション会社であるレッドハットを創設したボブ・ヤングだ。若い頃からタイプライターのレンタル会社を経営するなど、「ユーザーにとって低コスト、だが、儲かる」というビジネス・モデルで成功してきた連続起業家である。

 そのヤングが次に目をつけたのが、自費出版プラットフォームであるとは、既存の出版界が大きな変貌を迫られるのは、いよいよ時間の問題であることの証かもしれない。


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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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