穐田氏の社長復帰を求める署名に
社員300人中200人超が賛同

 また会社は、従業員がいなければ成り立たない。ユーザーのために最高のサービスを提供しようと一所懸命に働いている従業員も無視できない存在だが、多くの従業員が新しい経営体制に対して疑問を持ち、アクションを起こし始めた。

 ある社員有志は、全従業員に呼びかけて、佐野氏、岩田氏の執行役からの解任及び、穐田氏の社長復帰を求めて、署名を集めている最中だ。日本の本社には契約社員を含めた従業員が300人以上いるが、そのうち200人以上が賛同しており、続々と賛同が寄せられているという。署名は近く開かれる取締役会に提出する見込みだ。その呼びかけでは、新体制になったにもかかわらず経営方針が打ち出されておらず、不安で納得がいかないので、きちんと対話をしたいとも説いている。

 同社関係者によれば、「本社の従業員の7~8割は賛同しているのではないか」というから、新経営陣は簡単には無視できない数字だ。

 また、ある従業員は従業員への一斉メールで、新社長である岩田氏が29日に行った従業員との質疑応答について、穐田氏退任の経緯について虚偽の説明があったと告発するなど、あちこちで火の手が上がり始めている。

 定時株主総会翌日の社内説明では、佐野氏は4月1日に外部から新しい幹部を補充し、7月以降に本格的に新体制をスタートさせるとしているが、経営方針はまだ不透明なままで、多くの従業員は不安を抱えている。

 また、24日付で新社長に就任した岩田林平氏は、大手コンサルのマッキンゼー・アンド・カンパニーから佐野氏が引き抜いてきた人物で、事業会社の経営経験はなく、能力については未知数だ。「岩田氏はウェブについては素人。日々、変化し続けているネットの世界についてこられるだろうか」と疑問を呈する従業員もいる。

 高成長を続けるベンチャー企業は、従業員なしでは成り立たない。佐野氏を含めた新経営陣は、従業員とどう接していくのか。うまくいかなければ、社員の退職が相次ぎ、ベンチャー企業の魅力を失うことになるだろう。