「今、五輪が楽しみと言ったら
バカだと思われそう」という声も

 2015年4月に三菱総合研究所が発表した『オリンピック・レガシーに関する意識調査』(第2回)では、第1回調査時(2013年12月)と比較して、「約60%が関心を寄せており、また大会を契機とした社会変革へは約44%が期待を寄せているが、関心・期待ともに約1年半前と比較して低下傾向にある」と述べられている。昨年4月時よりさらに諸問題が顕在化した現在では、さらに世間の関心・期待が低下している可能性もある。

 また昨年11月、日本経済新聞の編集委員・北川和徳氏は、『反感招く上から目線 東京五輪、意識調査から出なおせ』という記事の中で、「『国民だれもが歓迎して当たり前』という上から目線に反感を覚える人も少なくないだろう。新国立競技場や大会エンブレムの相次ぐ失敗で世間に心配より嘲るようなムードが広がったのも、そんな意識の食い違いが根っこにあるせいではないか。組織委は自らの意識改革のためにも、あらためて国民の大会への支持率の調査からやり直したらどうだろう」と指摘した。

 筆者も聞き込みをしたところ、巷からは東京五輪ムードの「盛り下がり」を感じさせる声が聞こえてきた。

「後には引けないから開催するんだろうけど、今の状況からこんな大きな催しを成功させられるんだろうかと思ってしまう」と話すのは、都内の男子大学生(21歳)だ。

「これまで日本人は、緻密な計画性を持つ国民性だと言われてきたけれど、新国立競技場で工事の遅れや建設費の問題、聖火台設置問題が指摘されたり……。ブラジルのサッカーW杯で工期の遅れが報じられていたときに、『だらしないな。日本ではこういうことは起こらないだろう』という印象を持っただけに、残念」(大学生)

 また、30代の男性会社員は「エンブレム問題にしろ、新国立競技場の問題にしろ、誰が悪いかという責任のなすり付け合いをしている印象。マスコミや世論も含めて、誰かを叩くだけで生産性のない議論ばかりだと感じる。すっきりしない」と話す。