他にも、次のような声が聞かれた。

「決定の瞬間は嬉しかったし、しばらくはようやく日本の未来に明るい兆しが見えた気がしていた。だけど今、『オリンピックが楽しみ』と言っている人は周りにいないし、言ったらバカみたいと思われそう」(20代・女性会社員)

「日本人は流されやすい国民性だから、一旦こういうムードになると、再び盛り上げていくのは難しいのではないか」(30代・男性会社員)

「正直、もとから興味がない。決定時と比べて興味がないことを言いやすい雰囲気になったと感じる」(40代・男性会社員)

批判するほうが賢そうに見える?
でもやっぱり盛り上がる理由

 このように、東京五輪に対する「盛り下がりムード」は確かに広がっているようだ。開催までにはまだ時間がある。再び堅調な「盛り上がりムード」に持っていくことはできないのだろうか。

「個人的には『もう開催をやめてしまえばかっこいいだろうな』と思いますが、残念ながらやはり最終的には盛り上がると思います」と話すのは、『大人力検定』(文藝春秋)などの著書を持つコラムニストの石原壮一郎氏。石原氏はもともと、「震災復興のため」というストーリーをつくり上げて五輪開催を推し進めた日本政府に懐疑的だったというが、「今は批判ムードが強いので、逆に批判しづらい」と言う。

「『批判するほうが賢そうに見える』というムードになると、尻馬に乗って批判し始める人もいます。今はそういう時期。しかし、そういう無責任な批判をしている人は、盛り上がりムードになってきたらあっという間にそっちへ行きます。時期が来たら急に一丸となる無節操な日本人気質を、なめちゃいけない」(石原氏)

『経済クイズ王』(日本経済新聞出版社)などの著書を持つ競争戦略の専門家、鈴木貴博氏(百年コンサルティング代表取締役)も、「(盛り上がりに関しては)全然心配していない」と話す。

「今夏にリオ五輪がありますが、始まった途端に色々なドラマが生まれ、新しいヒーローやヒロインが登場するでしょう。昨年のラグビーワールドカップで五郎丸選手が注目されたように、想定外のヒーローは必ず生まれるもの。そこで熱狂が生まれるはずです」(鈴木氏)