「人生を変えたい」「夢を実現したい」と思う人は多い。しかし、一体どれだけの人がその実現に向け努力しているだろうか。現役の経営者で陽明学者の加地太祐氏は、「成功するためには、何より実践が大事」と説く。本連載では、加地氏の初の著書『成功する人の考え方』の内容をベースに、成功に必要なポイントをお伝えする。今回は、成功する人が心がけているTTPCについて。
TTPとは
キミたちは、TTPという言葉を聞いたことがあるだろうか?
この言葉はあるセミナー講師が教えてくれた言葉だ。
「どんなに優秀な成功する人たちも、すべて自分の頭で考えているわけではない。彼らは必ず多くの成功する人の事例を愚直に学び、マネをする。それを私はTTPと名付けた」
この不思議な言葉TTP。これは「徹底的にパクる」から生まれている。
「徹底的にパクる」ことは、何も仕事だけではない。
芸術や建築物、小説に至るまで、成功した事例は多くの人から参考にされている。人気の映画や書籍が出た後、それに似たタイトルやデザインのものが出てくるのは世の常だ。
つまり、成功する事例を徹底的にパクることは、昔から有効な方法なのだ。
しかし、どんなに素晴らしいアイデアや創造物でも、そのまま真似するだけでは、そこにオリジナリティーは生まれない。
そんなとき、僕の親友はある言葉を教えてくれた。
それが「TTPC」だ。
TTPCで行こう
その親友は僕と同級生の優秀な経営者だ。
彼は様々な仕組みや秀逸なセミナーには必ず参加していた。
そして良い方法が見つかると、まずそれを徹底的にパクるのだ。
彼のすごいところはTTPだけではなかった。
素晴らしい物を真剣に学び、真似ようとするとある現象が起こり始める。
「あれ? この方法って別の方法を用いる方が上手くいくのでは?」
そして、そこに独自の工夫が生まれる。
この工夫を彼はカスタマイズと呼んだ。
TTPが「徹底的にパクる」なら、TTPCは「徹底的にパクってカスタマイズする」。
これが大きな成果を生み出すのだ。
そう、ただ真似るだけでは駄目なのだ。
以前、僕が松下政経塾で聞いた講話で「家康は家康、自分は自分」というものがあった。
あるとき、松下幸之助は山岡荘八が書いた「家康の伝記」を勧められるのだが、その勧めをキッパリと断った。
そして幸之助は言った。
面白い話というなら読むが、それがためになる、参考になると言うのであれば読まないと言うのだ。
そして、こんな話をした。
「あいつ、うまいこと成功したな! よし、俺もその通りやろう!」と言って出来るものではない。
そもそも時代も違えば、人間の感性もバラバラであり、そのまま真似しても成功することはないというのだ。
そもそも、ひとりの人間の知恵で世の中をどうこうしようと思うのが無理な話であって、周知を集めることが大切だと説いている。
確かに、成功事例を真似するというやり方は、これからもなくなることはないだろう。
しかし、そのままマネをするのではなく、そこに独自の工夫を加える。
自分なりにどのようにすればいいのかを考えてカスタマイズする。
そこに成功する人の個性が生まれてくるのである。
1976年大阪生まれ。株式会社aim代表取締役。
阪南大学高等学校中退後、溶接工に。その後、サラリーマンになり英会話スクールに通うが、1年後の2004年に通っていた英会話スクールが倒産。当時の従業員に「給料を数ヵ月もらわぬままオーナーが失踪したので助けてください!」と生徒なのに相談される。月商18万円で家賃支払いが23万円と大赤字なのにもかかわらず、「可哀想だから」と400万円を借金して援助し、サラリーマンを続けながら思いがけずオーナー経営者になる。
しかし、3ヵ月で資金がなくなり、助けてと言った従業員も退職。その後、英会話スクールの経営を実弟にまかせるが、1年後に病死する。この人生のどん底のときに安定したサラリーマンを辞め、給料の出ない英会話スクール経営1本に絞る。その後、NOVAが倒産し英会話教師だった外国人失業者があふれた。彼らを黙って見過ごせないと、生徒が増えたわけでもないのに日払いで外国人を雇う。この行動が新聞に紹介され、それがもとで生徒数が飛躍的に増え、以後、順調に業績を伸ばす。
2015年2月6日、交通事故に合い5日間意識不明に。6日目に目覚めたとき、「このまま死んだら僕はこの世界に何も残していないことになる」と愕然とする。
それがきっかけで、スタッフや愛する娘たちに残せるのは「言葉しかないのだ」と悟り「成功する人の考え方」の連載をスタート。純粋に言葉の力を試すために名前をふせたままスタートするも幸運にも支持を得て開始8ヵ月で3万いいね!を突破。月間リーチ数250万人の人気ウェブサイトに成長する。年間1000 人以上の経営者と対話し、会社経営を行う傍ら、1人でも多くの成功者を世に出したいと、日夜、記事の執筆に精力を注いでいる。山田方谷を学ぶ実践塾「方谷 塾」塾頭、陽明学者。
所属団体
・盛和塾<大阪> 世話人。稲盛和夫の経営者塾世話人
・EO Osaka<Entrepreneur Organization>理事。アメリカに母体を持つ経営者団体。年商100万ドル以上の経営者が集まる団体
成功する人の考え方HP http://ekusia.com/
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※次回は、5月11日(水)に掲載します。
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