デフレ対策としてヘリコプターマネーを提唱したことで、「ヘリコプター・ベン」と呼ばれるベン・バーナンキ前FRB議長
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「中央銀行は通貨を人々にばらまくヘリコプターマネーを実施することもできる」。金融政策は効果がないという批判が最近あまりに多いため、3月に欧州中央銀行(ECB)のピーター・プラート専務理事はそう発言した。

 マリオ・ドラギECB総裁がそれを「興味深い概念だ」とコメントしたことから、欧州のメディアは一時ヘリコプターマネーをめぐって“祭り”状態となった。

 ドイツなどでは政治問題化し、主要紙には「次のECB総裁はドイツ人にすべきだ」といった論調も現れた。そのため、4月21日の記者会見でドラギ総裁は「ECBが検討したことはない」と全面否定の発言を繰り返す羽目となった。

 一方、大西洋の反対側では最近、ベン・バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が自身のブログにヘリコプターマネーの解説を掲載した。彼は2002年の講演でデフレ対策としてそれを紹介して以来、「ヘリコプター・ベン」と呼ばれている。その解説を参考にしながら、ヘリコプターマネーのポイントを以下に整理してみよう。