家の中でも稼げる仕事を見つけるのも1つの方法

 改めて思ったことは、学校を何事もなく卒業して、就職できたとしても、周囲にチヤホヤされ、挫折することも、傷つく経験も積んでこなかった人が増えているのではないかということである。自分が中心で周りが自分に合わせてくれる、そんな自己万能感を持ったまま、大人になってしまった人たちにとって、社会に出てからは、必ずしも自分の思い通りになるわけではない。どこかで傷ついて、あるいは折り合いをつけながら、社会に適応していくことが求められる。しかし、地域や家庭、会社といった共同体が崩壊していく中で、子どもの頃からの自己万能感の傷つく体験を得られる環境がなくなってきているのではないか。

 最後に、ひろゆき氏が締めた言葉は、非常に的確だと思えるので、そのままの言葉を紹介したい。

「病気と病気じゃない人の区分けだけは、ハッキリさせたほうがいい。診てもらって、病気じゃなかったとしたら、家の中ででもできる仕事を探す。周りには、安く仕入れたものを高くネットオークションで売る人もいるし、オンラインゲームの監視業務や武器の名前を付ける仕事に就いた元引きこもりもいる。ネットゲームの中でカネを売るというリアルマネートレードという仕事もある。家の中にいたって、カネを稼げる仕事は、増えてきているんです。楽しんでいるのであれば、それはそれでいいと思うし、外に出たければ、オフ会でも呼びかけて、勝手に出ればいい」

 いかにも「外に出るのは面倒くさいし、家の中にいるほうが全然楽しい」というひろゆき氏らしいアドバイスだ。

 オフ会も、例えばミクシィの共通の趣味のコミュニティの中で呼びかけたりするなど、ネットから入ると気軽に参加しやすいかもしれない。また、スタジオの場外から飛び込み参加した精神科医の岡田聡氏によれば、病気かどうかの診断は、行政などの窓口で相談すれば、無料で行ってもらえて、比較的無難なのではないかという。

 新たな驚きと発見のあった、実り多い対談だった。

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7月10日に発売された拙著『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)では、このように、いまの日本という国が、膨大な数の「引きこもり」を輩出し続ける根源的な問いを追い求め、当事者や家族らの語る“壮絶な現場”をリポートしています。ぜひご一読ください。