従来の契約では、店の営業総利益をオーナーと本部で折半していた。これを4年前から導入した新契約では、利益の伸びに応じて本部のチャージ(取り分)を45%から最大70%まで増やした。その代わり、これまでオーナー負担だった電気代の半分や廃棄ロスの一部を本部が負担している。

 15年度はこうした新契約への乗り換えキャンペーンを実施し、乗り換えた店舗は約3000店から約7000店にまで増えた。これに伴い、電気代などの本部負担が「約20億円増えた」(吉武CFO)というわけだ。ローソンは、「店の利益が増えれば、チャージも増えるから心配ない」と強気だが、しばらくは負担増が続く。

「増配は続ける」
問われる株主還元と
投資のバランス

 質を高めるとはいえ、日販(1店舗の1日当たりの売上高)や収益力ではまだまだセブンとの差が大きいローソン。だが、投資家にとっては魅力的な要素がある。それは「還元」である。

 投資効率を測る指標である自己資本利益率(ROE)は、15年度12.0%と、コンビニ3社の中では頭一つ抜けている(図(3))。

 新浪剛史前社長時代から、ROEを重視する方針を掲げるローソンは、株主還元に対しても積極的な姿勢を取り続けてきた。

 とりわけ目立つのは、配当性向の高さだ。セブン&アイ・ホールディングスやファミマが配当性向の目標として40%を掲げているのに対し、ローソンはそれより20ポイント以上高い水準を維持し続けている(図(4))。

 今期も配当金は5円増配の250円を予定しており「持続的に増配していきたい」(吉武CFO)。

 ただ、こうした戦略はもろ刃の剣でもある。本来、本業への投資に充てるべき資金をも、投資家に回すことになりかねないからだ。

 今期は冒頭で掲げた未来のコンビニを目指した、次世代システムへの投資が始まる。総投資額は500億~600億円程度とみられ、今期は100億円強の投資を見込んでいる。

 また、今期は品ぞろえ充実のために既存店舗への投資も前期より50億円増額する予定。食品や日用品などの品数を10%増やすために、約8000店に増設用の棚の導入を進めている。こうした費用について、「将来への投資のため、資金の借り入れも視野に入れている」(吉武CFO)というが、本末転倒の感も否めない。

 投資家への還元と、巻き返しのための投資とのバランスをどう取っていくのか。業界3番手に突き付けられた大きな課題である。