ビジネスにおいて、モバイル端末が必要不可欠の時代となりました。さらに米国から上陸したアップル社のiPhoneのようなスマートフォンが一大ブームとなり、多くのビジネスパーソンが日本特有の携帯電話から持ち替えはじめています。「デザイン性に優れて、お洒落だからスマートフォンを持ち歩きたい」と感じる人も少なくないでしょう。
ところが、その一方で時代の流れに逆らうスマートフォン傍観派も少なくありません。ゆくゆくはビジネスシーンでスマートフォンが主流になることは目に見えているにもかかわらず、あえて傍観する人がいるのは、なぜなのでしょうか?
無線通信技術の発達で
職場に縛られない働き方が拡大中
最近、オフィス街のカフェは、ノート型のパソコンで仕事している人で溢れています。以前からみかける光景ですが、昔はネットに接続しないstand alone(スタンドアロン)な使い方が主流でした。ところ今では、WiMAX(ワイマックス)などの無線通信技術の発達により、何処でもメールやネットが安心して使える時代になっています。
そこで、多くのビジネスパーソンはカフェで気軽にメールしたり、サイト検索をしたりと、ある意味でカフェを「仮設オフィス」として使っているようです。余談ですが、新幹線での移動中(東京と新大阪間)にも無線LANに接続でき、ネットが使えます。こうなると、
「出張が続いてメールが確認できませんでした」
と言い訳ができないので、ありがたいようで厳しい時代が到来したといえるでしょう。
こうしたモバイル環境の進化によって、「直行、直帰型」の仕事をする営業職が増えています。業務連絡のためにモバイル端末付きのパソコンを会社が支給し、お客様への訪問機会を増やすために出社機会を大幅の減らしたワークスタイルが認められはじめているのです。在宅勤務をする社員のように自宅で仕事をするのではなく、移動時間の削減が目的の働き方といえるでしょう。
「外出したら会社に戻らない。お客様への訪問に効率的」
と語るのは、製薬業界に勤務するGさん。MR(医薬情報担当)として数多くの病院を担当しています。
ところが、勤務時間の大半は車でも数時間かかる長距離移動に割かれてしまいます。そのため、オフィスに出社せずに直行するのが週に3日、日々の業務日報を作成してメールで送信しています。上司と顔を合わせるのは週に1回の会議くらいだといいます。