「寝ている管理組合は起こすな」
管理会社の提案が解決策にならない理由

 財政に問題がある場合、(1)収入を増やす (2)支出を減らす、この2つしか健全化させる方策がない。管理組合にとって一番身近で、習熟していそうなのは管理会社であるが、これはなかなか機能しないことが多い。

 管理会社の提案は、例外なく(1)収入を増やすという提案しか持ってこない。つまり値上げや一時金徴収となる。管理会社の社員は会社員なので、(2)支出を減らす提案を持って行くのは自社の利益を損なうのでご法度になる。管理費を下げれば売上は減るし、大規模修繕の工事費を多くしておかないとリベートの原資が減ることになるからである。

 たとえばCマンションは、100世帯ほどの築10年のマンションだ。20年間の修繕工事費の累計が6億円に対して、現在の修繕積立計画では3億円にしかならずに、差し引き3億円の赤字となる。1世帯あたり250万円の赤字である。この赤字を解消するには年額15万円、つまり月額約1.2万円の値上げの提案が管理会社から出てくることになる。

 これに加えて、管理会社は収支や積み立て金額を知る立場にある。コスト削減に言及しないだけでなく、本来やらなくてもいい工事をやったり、見積もりも談合させてリベートの温床にしたりするのが常態化してしまう。こうして管理会社は、ユーザーである管理組合と利益相反する構図になってしまう。

 管理会社によっては管理組合をランク付けしていることがある。Aランクの管理組合とは、意識が高い管理組合となる。理事が輪番制で交代しても、たとえば諮問委員会とか、専門委員会とか、ワーキンググループとか、プロジェクトチームなどがあって、一定レベルが維持できる仕組みができている。

 仕組みはできていないけど、比較的熱心に取り組んでいる人が2~3人いる管理組合がBランク。役員の意識が低い、管理会社の言うことを聞くだけの、意識が低く、受身でいいなりの管理組合はCランクに位置付けられる。

 テキパキと仕事をこなす“Aランク”の担当者は“Aランク”の管理組合を担当し、 “Cランク”の管理組合には、仕事が遅い・何も変えない・アイデアひとつない、頼りない “Cランク”の担当者がきてしまう。

 どこからお金がもらいやすいかは、自明の理である。管理会社や工事会社は、管理組合に意識の低いままでいてもらいたいと願っている。管理業務の委託契約を結んでやっていることなので、どんなにコストパフォーマンスが悪くても、それは無知な自分たちが愚かだからであり、管理会社を悪人扱いしてもお門違いだということになる。