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優秀な新卒の7割は女性?
本気で登用しないと企業は勝てない時代

――IBMが感じた危機感と、女性リーダーたちの声

大河原克行
【第119回】 2016年7月15日
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安倍昭恵氏が批判を受けても
小料理店をやめなかった理由

安倍昭恵氏 (安倍内閣総理大臣夫人) 

 今回のIBM ウーマンズ・リーダーシップ・フォーラムでは、特別講演として、安倍晋三首相夫人の安倍昭恵氏が登壇した。

 「若いときには、結婚して幸せな家庭を持ちたいと思っていた」と切り出す安倍昭恵氏は、安倍晋三氏と結婚後、後援会活動などに力を注ぐ日々を送りながら、「安倍家の嫁として、恥ずかしくない行動をしなくてはいけない」というプレッシャーが常に付きまとっていたことを明かす。

 また、安倍氏が初めて首相を務めた2007年に、体調不良を理由にして、わずか1年でその座を降りた際のエピソードに触れながら、「総理大臣を投げ出した無責任な男と言われ、初めてそこでどん底の気分を味わった。がんばってきたのに批判されなくてはならない。とても不安定な日々を送った」と振り返る。

 そうした経験を経て、安倍昭恵氏がたどり着いたのは、「型にはまった自分ではなく、正しいと思うことを言ったり、やってみたりといった人生を送ること」だったという。

 50歳を迎えた2012年に、フルマラソンに挑戦。さらに、選挙区である山口県で作り始めた無農薬米を使用し、その料理を振る舞うための小料理店を東京・神田にオープン。「無農薬で作った米や野菜を食べてもらったり、山口県の人たちが集まって、家に帰ってきた気持ちになってくれたりすることを望んだ店」を自らの手で運営しはじめた。

 だが、風当たりは強かったという。関係者から「全部買い取るので店をやめなさい」と言われたり、週刊誌では、裏路地の居酒屋の女将に成り下がったという見出しで写真を撮られたりといったことがあった。

 しかし、安倍昭恵氏は店をやめなかった。「いいことをしようと思っていたので、やめることはない。確信をして、その店を続けている」とし、「いまでは、オバマ大統領夫人にも来てもらえる店になった。そして、これまで訪れたことがなかった主人も、先日の結婚記念日に初めて店を訪れてくれた。

 人生には無駄なことはなにひとつない。つらい時期があったからこそ、いまがある」と語る。また、「若いときには、キャリアアップしたり、家庭を築く友人をみて、私には何もできないと焦ったこともあったが、いまは、人をつなげていくことが私の役割であると考えている」とも語る。

 さらに、安倍昭恵氏は、「これからは、1億総活躍時代。女性が活躍することは、女性それぞれの持ち味を生かして活躍していくことが大切。女性が大企業のなかで昇進していくことはすばらしいが、男性と同じ仕事で昇進していくのではなく、女性の特性を生かして企業のなかで働いてほしい」と発言。

 2012年に安倍首相が、総裁選に出馬した際に、多くの人たちが負ける可能性が高いのでやめた方がいいといわれたものの、「全力で戦って、それで負けたのならば、また次の総裁選に出ればいい。そこで負ければ、次の次の総裁選に出ればいい。就職で失敗したり、倒産したり、いろいろなことが起こるが、何度でもチャレンジできる世の中を作りたい。それを、身を持って作っていきたい」と安倍首相が語った裏話に触れながら、「女性が社会のなかで活躍するには、一歩進む勇気を持つことが大切だ」と述べた。

 また、「女性が社会で活躍するためにはいいパートナーに巡り会うことも必要である。ジニー(=IBMのロメッティ会長)の場合も、すばらしい夫が支えてくれている」としたほか、「日本人は、謙遜する文化があり、能力を十分にアピールすることが下手な民族であるが、日本人のようになりたい、日本人のように働きたいと思う人たちが、世界中にいる。日本に生まれてきたことを誇りに思い、日本の良さを世界にアピールし、世界でリーダーシップを発揮することで、世界が幸せになればいいと考えている。私は、女性のみなさんのためにがんばりたい」と語り、特別講演を締めくくった。

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