矛盾が多い資本主義の先に
社会主義、共産主義がある

――旧ソ連とは異なる未来社会の実現を目指し、資本主義の枠内で民主的改革を進めるのであれば、日本共産党という党名を変える必要があるのでは。

 ありません。変える必要がないのは、日本共産党という党名ほど“理念”が込められたものはないからです。何かと矛盾が多い現在のルールなき資本主義の先には、次なる発展の段階としての「社会主義」や「共産主義」があると考えます。

 先ほど、新自由主義的な考え方の問題について指摘しました。新自由主義的な規制緩和を推進する人たちは、意図して「分断」を作り出しています。例えば、正規雇用者と非正規雇用者を分断させ、両者を対立構造の中で反目させたほうが都合がよいからです。この罠にひっかかっている間は、いつまでも問題が解決できません。同じことは、沖縄問題や原発問題についても言えます。

 そこで、現役世代のビジネスパーソンには、身の回りでの“連帯”、すなわち社会的連帯について、少し考えてみてほしいですね。例えば、正規雇用者が、立場の弱い非正規雇用者と連帯して、「自分たちの問題」として捉えて改善活動を始めれば、職場の環境をよりよくすることだってできるはずです。

――連帯と言えば、近年の日本共産党は、1960~70年代の運動では相手にしなかったであろう「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)の若者たちと連帯していますね。彼らは、国の首相を“お前呼ばわり”するなど、言葉の使い方が少し乱暴だと思うのですが、周りの大人たちは注意しないのですか。

恒例となった首相官邸前の抗議デモに参加する日本共産党の志位和夫委員長(中央)。近年の反原発デモには、かつて敵対していた“新左翼”の活動家などから一般市民まで参加する。現役の党首でありながら、頻繁に現場へ足を運ぶ 写真提供:日本共産党中央委員会

 ふふふ。言葉の使い方はともかく、私は“今、戦後かつてない市民運動”が起きていると思っています。今日の市民運動は60~70年代の運動とは質が違います。運動の単位は、誰かにリードされた集団ではなく、個人なのです。問題意識を持った個人が、自分の言葉で語っています。戦争法の問題では、SEALDsばかりでなく、一般の学生、学者、弁護士、著述家、ママの会など、これまで接点がなかった個人の集まりが生まれました。それらが連帯しているのです。

 言葉の問題は難しい。過去15年以上、街頭演説をしてきた私も反省することしきりです。例えば、「安倍政権に終止符を打ちましょう」と言っても、活字で読めば分かりますが、耳から入るとピンとこないかもしれません。同じことでも「安倍政権にピリオドを打ちましょう」と言ったほうが刺さるかもしれない。

 政策を訴える上では、なるべく分かりやすい言葉で、かつビジュアルも工夫しなければなりません。決して、難解な言葉ばかり使って部外者を遠ざけようとしているのではありません。その点は、今後も課題であり続けるはずです。