介護って、自分とは無関係と考えていませんか? あなたのご両親、奥様、旦那様、それにご自身はいつまでも元気だと、当たり前のように思っていませんか? はっきり言いましょう。それは“幻想”でしかありません。
こんなデータがあります。2010年度版の高齢社会白書によると、介護保険の第1号被保険者、つまり65歳以上の高齢者の15.9%が要介護認定を受けています。この数字は、75歳以上になると21.6%に跳ね上がります。つまり、65歳以上の日本人の7人に1人、75歳以上なら5人に1人以上が、何らかの形で介護のお世話になっているということです。
働き盛りの40~50代のビジネスマンであれば、ご両親がこの世代に当たるはず。それより上の世代なら、ご自身がそろそろこの年代にさしかかる頃でしょう。決して他人事ではありません。
小誌恒例の「介護特集」には、今回、「介護が必要な方」「家族の介護をする方」「将来の介護が心配な方」の立場に立った、必要な情報、使えるノウハウが盛りだくさんです。
Part1 「介護の現実」では、初めて介護を行なう方でもわかりやすい、「予算別・ニーズ別の介護方法」をフローチャートで大図解。介護が必要になっても身寄りがない“無縁介護”への備えや、「成年後見人制度」の使い方も採り上げます。
Part2 「在宅編」では、介護者の生活を守りながら、持続可能な在宅介護を続けるためのノウハウや情報を網羅しました。
Part3 「施設編」は、有料老人ホームの選び方、わかりにくい料金体系のカラクリ、急増する住宅型有料老人ホームと高齢者専用賃貸住宅の実態など、盛りだくさん。生々しい現場の実態がわかる、介護の最前線に立つ介護職員による“覆面座談会”も開催しました。
Part4 「老人ホーム格付け」では、全国1878の有料老人ホームをランキング。他誌にはない小誌ならではのランキングは、ホーム選びの際に必携です。
ちなみに、表紙と扉のイラストは、青年コミック誌で介護を描いて人気を博している『ヘルプマン!』からいただきました。とことん現場を踏み、介護の生々しい現実とそこにある希望を描き続けてきた、作者のくさか里樹さんのインタビューも必見です。
総ページ数はなんと90ページ! 小誌の介護特集史上(?)最大ボリュームで、満を持してお届けします。介護が必要になったその日になって慌てないためにも、本誌で対策を立てましょう。ぜひお手に取ってご覧ください。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木洋子)