回答結果のグラフを見ると、(6)と答えた者、すなわち、神が存在すると知り、神の存在を疑わない者は、対象国中唯一のイスラム国であるトルコで最も多くなっている(93.1%)。トルコ以外のイスラム教国でも似たパターンだと想像できる。この他、80%以上がそう思っている国は、ベネズエラ、ドミニカ共和国、フィリピン、チリといった途上国のカトリック国である。

 G7諸国の中では米国で(6)の割合が特段に高く(61.3%)、2番目に高いイタリア(42.9%)を大きく凌駕している。主要先進国のなかではやはり米国は神の国であることが確認できる。日本を別にするとフランスが最も低い(17.5%)。

 グラフを見ると、下からロシア、台湾まで、すなわち約半分ぐらいの国までは、(6)の堅固な信仰が低まるにつれて(5)の疑いつつも信じるという回答が多くなることが分かる。(6)から(5)へシフトしながらだんだんと宗教性が弱まっていく様子がうかがえる。それ以降の国となるとほぼ(5)と(6)が両方少なくなっていく。

 神を信じる者が少ない方では日本が4.4%と最も少ないが、これに、スウェーデン、チェコ、デンマーク、ノルウェー、ベルギー、フランスといった北欧その他の国が続いている。表のように、旧社会主義国のチェコ、世俗主義の元祖フランス、およびドイツでは、(1)、すなわち積極的に神の非存在を断言する回答が他の選択肢を上回っており、脱宗教の旗幟を鮮明にしている。

◆表1 選択肢の中で各選択肢の回答率が首位の国

 日本人の回答のうちで最も多かったのは、(4)の「神の存在を信じる時もあるし、信じない時もある」の32.2%であり、これが選択肢の中で最も多かったのは日本だけである。また、この回答率は2番目に値の高かったハンガリー(19.2%)を大きく凌駕している。神の存在は証明できないとする(2)の選択肢も日本が一番多いが、こちらの方は2位以下とそれほど離れていない。これらから(4)の回答率の高さが日本の最大の特徴点であるといえよう。

 すなわち、日本人は、神の存在は分からない(証明できない)から信じないという合理的な考えをもっているというよりは、むしろ、気分によって信じるときも信じないときもある以上、存在するとは言い切れない、としているだけなのである。存在か無かという普通はどちらかに決めるしかないようなことでも、場合によっては、どちらでもよいとしていて構わないと考える点が日本人の特徴なのである。