3万人の上司に研修で接してきてわかった、部下を戦力化するための究極の指導方法は意外とシンプルだった。それは「誉める」こと。上司はなかなか誉めないため、部下のヤル気を削いでいる。
3万人の上司に研修で接してきて、はっきりしたことがあります。『上司は、誉め上手(ほめじょうず)になりましょう』が、最高のスキルアップ方法だということです。
「上司はほとんど誉めてくれない」と不満を言う部下に聞いてみました。
「いくら頑張っても上司は認めてくれない。部長は自分がやったような顔をして社長に報告している。やる気が無くなった」と、その部下は漏らし、次のように悩みを打ち明けます。
「課長は厳しい。誉めることはまったくない。叱ってばかり。自分のミスだから悪いのは自分だが、叱られてばかりで自信がなくなった。会社を辞めようかと思っている」
上司が誉めてくれないという部下たちからは、こういう答えが多かったのです。
今度はなぜ誉めないのか、上司に聞いてみました。
「誉めると部下は、この程度でよいのかと勘違いして甘い仕事をしてしまう。厳しく言って部下の仕事の腕を磨かせている」
「誉めるところがない。言ったことをただやっているだけ。そんなのを誉めたら、こちらがバカにされる」
誉めない上司の考えはだいたいこんなところでした。
上司に多い「誉め苦手」
誉める効果を甘くみるな!
誉めない理由を追加すれば、「誉めるのは気恥ずかしい。照れてしまう」「誉めようとは思っているが、なかなかタイミングが見つからないし、合わない」です。
誉めることを前向きにとらえているが、誉めるのが苦手で、うまくできないという上司もいました。こういう上司がいちばん多いようでした。
『指導』についてお話してきました。そして『導く』の最後のポイントは、『誉める』ことだと紹介しました。
誉めると、以下のような効果があります。
(1)部下のやる気を引き出し能力を伸ばす。
(2)部下は誉められたことについて自信を持ち努力をする。
(3)困難なときに上司を慕ってついてくる。
(4)部下に安心感を与え部下の信頼を得る。
あなただって誉められて嬉しくなった記憶はありませんか。子どものころ、新入社員のころを、思い出してみてください。
サッカーでゴールを決めて誉められたこと、野球でホームランを打って称賛を浴びたこと。作文や計算がよくできて先生から誉められたこと。スポーツでも、勉強でも、他の何かでも、誉められてヤル気になり能力を伸ばそうと練習や勉強に励んだことがあると思います。
誉められて作文が自信となり、算数が好きになったことや、そして誉めてくれた先生が大好きになったなど、あなたにも多少なりと、こういう経験があると思います。
新入社員のころ、誉められてヤル気になり、上司の誉め言葉で自信を持ち、その上司に好意を持った経験があると思います。
誉める効果は確実にあります。部下の戦力化には、『誉める』を活用しましょう。